「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第308回
春をひさぐ娘たち (その2) = 沖縄篇

腹は減ったが先ほどの社交街の光景が
目に灼きついて離れない。
即物的な建物の中で春をひさぐ娘たちの
黒い瞳はそれぞれに輝いていた。
ハンブルグやアムステルダムの飾り窓とは
まったく異なる明るさがあるのだった。

食堂「ますや」のそば定食の内容は
ソーキそば・とんかつw/キャベツ・ジュウシー。
ジュウシーというのは沖縄のかやくごはん。
昆布・にんじん・しいたけが一緒に炊き込まれている。
白飯とのチョイスだったが、こちらを選んだ。
鰹節と昆布の出汁が溶け込んではいるものの
さして美味しいものではなく、
白飯にすればよかったかなと、少々悔やまさせる。

とんかつもデキのよいものではない。
硬いもも肉に硬いコロモがいただけない。
噛んでいて味気なさだけが舌の上に残る。
沖縄ではこのとんかつ、日常的に食べられているようで
喫茶店のサンプル・ウインドウなどにも
カツカレーやカツピラフが頻繁に見られる。

ソーキそばだけは合格点。
化調を感じないスープが秀逸。
昨夜は飲みすぎたせいか、ほとんど飲み干した。
麺のほうは、まぁそれなり。

遅れて来た青年・M永の食事が終わるのを待って
炎天下を歩き始める。
目指すは人工遊泳区のトロピカルビーチ。
もうちょいと遠出をすれば
すばらしいビーチがあるのだろうが
2人とも海水浴や日光浴のために
沖縄くんだりまで来ちゃあいない。
それでも1度くらいは白い砂浜に遊んでみようと
思ったわけなのだった。
下り坂とはいえ、歩くこと約40分。
到着したときにはすでに
太目のM永のアゴは完全に出ていた。

さすがに沖縄のビーチは湘南とは違った。
洗う芋の不在が何ともうれしい。
波打ち際に寝そべって目をつむる。
ちょうど上半身が砂浜に出て
下半身が海水ひたひたの位置取りが最高だ。
波が寄せるたびに背中から首筋が
ヒヤヒヤっとする快感。
温泉もいいが海水浴もいいもんだ。

夕陽を見るために、陽が落ちるまで浜にいた。
雲が出てしまい、夕焼けは不発に終わる。
さて、那覇の街に戻るとするか。
よほど「赤線地帯」に引き返して
夕暮れの街並みを徘徊してみようかと考えたが
それも何だかせつない気分、結局思いとどまった。

シャワーを浴びるためにロッカールームへ。
そのとき鏡に映った自分にびっくり仰天。
顔も胸も腹も真っ赤っ赤のかっ!
まるで茹で立てのロブスターさながらだ。
思えば5時間以上も太陽の下にいたんだものねぇ。
今夜の入浴はムリだな、こりゃ。
やれやれ。

 
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2007年9月5日(水)

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