「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第309回
やっと出会えた沖縄の美味 (その1) =沖縄篇

トロピカルビーチから再びバスに揺られて那覇へ戻る。
窓に映る国道58号線沿いの風景は見ていて退屈しない。
那覇市内に入り、間もなく久茂地の交差点に
差し掛かるあたりで気になる店を1軒見とめた。
横浜あたりにありそうな洋食屋然とした店構え。
疾走するバスの窓から一瞬見ただけだから
はたしてどんな料理を出すものやら見当もつかない。

いったんホテルに戻って着替えを済ませ、
M永クンともどもその店に戻ってみると
「みかど」なる沖縄料理の大衆食堂であった。
店先で弁当なんぞも販売している。
少々拍子抜けしたものの、せっかく歩いてきたのだ、
ビールでも飲んでいこうと入店。

みかどランチ(1000円)とすき焼き(700円)を取って
オリオンの缶ビールのつまみにした。
ランチのライスは遠慮しておく。
みかどの内容はハンバーグ・とんかつ・あじフライ・
ポーク玉子・サラダ・スープ。
すき焼きはにんにくの下味を付けた牛肉と
小松菜・白菜・春雨・豆腐の煮びたし風。
何だか焼肉用の牛肉を煮て食べる感じだった。

客入りはいいが、単身者がほとんどだ。
中年以上の男性はやはり「おふくろの味」を
求めてやってくるのだろう。
若い女性は弁当の持ち帰りが多い。
最近表通りに移転してきた家庭的な店は
オバさん2人きりで十数年も頑張っているそうだ。

「みかど」に立ち寄る道すがら、
目星を付けておいたもう1軒に回った。
店先の品書きもチェック済みで
ここなら間違いなかろうと踏んだ沖縄料理店の
名前は「綾門(あやじょう)」。
カウンターに腰を下ろすと、なかなかに居心地がいい。
趣きのある居酒屋といった雰囲気も兼ね備えている。

初めの1杯は瑞穂古酒25度のロック。
隣りの甕は43度だが、取りあえずは
胃にも喉にも優しいほうから始めた。
割り箸をマドラー代わりに
氷塊をクルクルッと回して一口。
キリッと立ちのぼる後味が爽快だ。

突き出しはモーイ瓜の浅漬けと
青パパイヤ千切りのマヨネーズ和え。
ディープなものをいきなり突きつけられるより
あっさりとしたもののほうが受け入れやすい。

注文した料理は以下の通り。
んじゃなばーえい(500円)
    ・・・苦菜と豆腐の和えもの
中味いりちい(800円)
    ・・・豚ガツともやしの炒めもの
沖縄豚のソーセージ(900円)
    ・・・フランクフルト大ソーセージに
    ・・・セロリ・モーイ瓜・貝割れ添え
ちらがあいりちい(700円)
    ・・・豚の面の皮ともやしの炒めもの
先ほどの「みかど」で
そこそこつまんだので、そんなには食べられない。
だが沖縄到着以来、4軒目にして
初めての美味に出会ったのだった。

         =つづく=

 
←前回記事へ

2007年9月6日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ