「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第311回
やっと出会えた沖縄の美味 (その3) =沖縄篇

ともに那覇市内の繁華街、牧志と久茂地の間を
抜ける通り沿いにあるバー「Gold Dust」。
カウンターに独りくつろいでいた。
フレッシュフルーツの多彩な品揃えに
横浜のバー「カサブランカ」を思い出していた。
そのバーも新鮮なフルーツを使ったカクテルが得意なのだ。
ふと見ると、目の前には強い芳香を放つ百合の
カサブランカが生けてあるのだった。

2杯目はモヒートとのラム酒つながりでダイキリを。
そのままライムを使われたんでは芸がないので
代わりにシークワーサーを搾ってもらい、
思い切りハードシェイクでお願いする。
砕けた氷片が唇に舌に快い。
シークワーサーのダイキリは
通常のレシピに橙(だいだい)の果汁を
加えたような深みのある味わいだった。

夜も深いので2杯で切り上げ、お勘定。
これが何と2200円。
銀座に比べて、安いのは当然としても
これでは店は儲かるまい。
チャームも真っ当なものだった。
レーズンバターを乗せたクラッカーが2枚。
これが沖縄のバーの相場なのだろうか。

明けて翌朝。
スッキリ目覚め、ホテルで軽い朝食。
余計なものにも手を出しがちなビュッフェにはご用心。
バターを塗ったトーストとハイビスカス茶を。
チェックアウトを済ませ、市内を散策する。
その後、モノレールで首里に向かった。

目当ては首里城よりも「首里そば」。
首里城に続く道の途中の
沖縄そばの人気店に到着したのは11時40分。
40席ほどの店内はすでに満席に近い。
先客はずいぶん早い時間から並んでいたようだ。

待つこともなく、駐車場を臨む窓際の
カウンターに座れた。
5人掛けの真ん中で、両サイドはどちらもカップル。
注文したのはオリオンビールの中瓶(500円)と
沖縄そば(500円)と煮付け(450円)。
煮付けというのはいわゆるおでん。
豚の三枚肉ともも肉・自家製厚揚げ・大根・昆布・
いんげんを甘めの薄味で煮てあった。
ボリュームがかなりある。

ものの5分で運ばれた沖縄そばには
煮付けと同じ豚肉に、薄切りのかまぼこが2枚。
他店のように紅生姜を乗せないところがエラい。
手打ち麺は幅広ロングパスタのフェットチーネに似ている。
良いものが手に入りにくい灰汁は滅多に使えぬそうで
通常はかん水を加えて打つという。
なるほど、おかげでコシは強い。
噛みしめているうちになめらかな粉々感がにじみ出る。
化学調味料を感じさせないつゆには
穏やかな旨みが溶け出している。
ドンブリを抱え、珍しくもほぼ飲み干していた。

 
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2007年9月10日(月)

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