「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第313回
いよいよ牧志の公設市場 (その2) =沖縄篇

牧志公設市場2階の食堂「ツバメ」。
ビールを飲むうち、最初にでき上がった料理は
持ち込んだアグー豚バラ肉のしゃぶしゃぶ。
悠長に鍋を囲むなんてことは初めから無理なハナシ。
まとめてしゃぶしゃぶにしてもらった。
薬味はきざんだ青ねぎのみ。ポン酢は用意してくれた。
この豚は脂身が特筆だ。甘みがあってシツッコさがない。
俄然、ビールのピッチが上がり、すぐに2本目。
敵もジョッキのお替わりをしている。

続いて島らっきょうとゴーヤの酢の物。
沖縄ではほとんどの場合、島らっきょうには
削り節と生醤油が付き物だが、
東京人がエシャレットを食べるときのように
味噌を塗り付けて食べてみたい。
島らっきょうの優れた点は相当食べても
エシャレットのように胸焼けを誘発しないことだ。

ゴーヤの酢の物はイケた。
一般的なチャンプルよりも気に染まる。
ここにも削り節と千切りのにんじんなんぞが
和えられているのだが
酢のおかげで、スッキリのシャッキリ。
箸休めには持って来いの清涼な一品だった。

アグー豚の2品目は肩ロースの生姜焼き。
バラ肉よりもちょいと厚めに
スライスしてもらったので、塩梅はいいものの、
味付けが濃すぎて、塩辛いことこの上ない。
それでも我慢して噛み続けると
やがて穏やかな豚肉の旨みが口中に拡がるのだった。
しょっぱい料理の代償として、早くもビールは3本目。

お次は沖縄の県魚のグルクン唐揚げ。
中ぶりのが2本付きで登場した。
だいぶんお腹がくちくなってきたから
グルクンは半尾だけ皿に取り、
1匹半を敵将に捧げつかまつる。
県を代表するサカナに敬意を払いたいところなれど
どうもこのサカナの旨さが判らない。
唐揚げにするには大きすぎると思う。

アグー豚の3品目。
今度はにんにくバター醤油で
焼いてもらったポークソテーのお出ましだ。
またまたけっこうな脂身を擁しているけれど
これがちっとも気にならないから不思議だ。
いいエサをいっぱい食べて
いい運動をしているのだろう。

ここ数年、日本各地で生産される豚肉の品質は
飛躍的に向上したのではなかろうか。
何もわざわざスペインのイベリコ豚や
イタリアのチンタ・セネーゼを
輸入しなくともよさそうなものだが
本場モノの信奉者というのは
いつの世にも存在するものだ。

M永と別れ、適当に時間をつぶし、那覇空港に向かう。
かくして初めての沖縄の旅は終焉を迎えた。
振り返って強く印象に残ったのは
久茂地の沖縄料理店「綾門(あやじょう)」と
そのすぐ近所のバー「Gold Dust」。
旅行者にも出張者にもおすすめしたい。

 
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2007年9月12日(水)

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