「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第315回
バッタリ出食わした料亭の三代目 (その2)

戦後しばらくして創業した「料亭 きよし」で
ささやかにドンチャカやった夜を思い出しつつ、
「麺・酒処 らん亭」に無事到着。
相方が未着のため、取りあえずサッポロ生中。
それに本わさびは期待できないが、板わさを注文。
結果はやはりチューブ入りであった。
突き出しは辛子と青海苔をあしらった醤油豆。

ヒマを持て余し、品書きに目を通す。
日本酒は八海山と荒武者。
花街セット(1500円)というのが目を引いた。
下町の大衆酒場でおなじみのキンミヤ焼酎と
炭酸orウーロン茶、そして氷のセットだった。
キンミヤ焼酎は正式名を
亀甲宮というごく普通の甲類焼酎で
宮崎産と勘違いしている人が多いけれど
三重県楠町の宮崎本店の製品。

つまみ類の揃えはごくシンプル。
今つまんでいる板わさに
じゃこおろし・スープ水餃子・浅漬けがオール400円。
あとは、鶏もも照焼き・牛すじ煮込み(各600円)・
冷やしトマト(350円)・各種缶詰(300円)と並ぶ。
ラーメンは塩と醤油の二本立てで各600円。
チャーシューメンが850円。
この時期は冷やし中華(800円)も出す。

相方が到着して、花街セットをお願いする。
つまみはトマトと浅漬けと水餃子。
キャベツときゅうりと大根に
大葉が混じった浅漬けが夏らしくていい。
途中からトマトも混ぜ込み、サラダ感覚で食べ終える。

茶の間のちゃぶ台にくつろいでいたのだが
カウンター内の店主らしき人物と一瞬目が合った。
「オヤ?どこかで見たような・・・」
先方もこちらを見つめている。
ハタと気が付けば、何のこたあない、
前述の「料亭 きよし」の三代目ではないか。
聞けば神田のラーメン店「きび」の大将と
コラボで店を開いたのがちょうど1年前とのこと。

とにもかくにも、再開を喜び合ってしばし歓談。
思い出話に花を咲かせているときに
トンデモナいことに気が付いた。
三代目とは過去に1度だけ飲んだことがある。
彼の義理の姉さんにあたる「料亭 きよし」の女将、
「きよし」になじみの芸妓さん、
それに共通の知り合いの商社マンの計5人で
一夜、飲み会を開いたのだった。
そのときの店が何と「赤坂酒場」だったのだ。

こんな偶然があるものかしら?
初めて伺った「らん亭」が
たまたま知人が出店した店で、
その前に独り飲んだ「赤坂酒場」は
ただ1度だけその知人と酒を酌み交わした店。
しかも相方が遅れなければ「赤坂酒場」には
立ち寄る時間とてなかったはずだ。
1本の糸に導かれたようだが、とにかく妙な気分。

気を取り直し、相方と冷やし中華を分け合うと
平打ちやや太麺のシコシコ感が快い。
トッピングの鳴門巻きの細切りがいかにも昭和的。
せっかくだからと醤油ラーメンも追加する2人であった。

 
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2007年9月14日(金)

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