「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第316回
三代目ご推奨のとんかつ屋

向島の老舗料亭「きよし」の三代目については
このコラムで先週ふれた。
その際、彼に推奨されたとんかつ屋がある。
東京都民でもほとんど乗る機会とてない東武亀戸線の
東あずま駅前にあるという。
何でもテンコ盛りのキャベツ千切りが自慢の店らしい。

思い立ったが吉日とばかり「らん亭」を訪れてから
3日後の金曜夜に、独りで出掛けてみたことだった。
夜にとんかつ屋を訪問することは非常に少ない。
品書きに幅のある浅草「ゆたか」と
上野「井泉本店」は例外中の例外だ。

住まいから近いとはいえ、過去に1度しか
乗車したことのない亀戸線にわざわざ乗って
しかも夕食時に赴いたのは
このとんかつ屋が夜のみ営業の店だからなのである。
昼に開けないとんかつ屋なんてあるのかしら?
近所の人々が居酒屋のつもりで
利用しているのかもしれないなぁ。

亀戸線で亀戸から3つ目。
東あずま駅前の丸八通りの向かい側に
そのとんかつ店「飛鳥」はあった。
7席あるカウンターの右端に座る。
4人掛けのテーブルが2卓と
小上がりに同じく4人掛けが3卓の計27席。
飲食店としては中ぶりのキャパシティだ。

周りを見回すと、卓上にビールすら出ていない。
みな食事のための来店の様子。
店の前の通りは駐車が可能なため、
クルマでやって来る客も多そうだ。

とんかつ定食(800円)に
コロッケが1個付くA定食(900円)を注文。
夜にライスは滅多に食べないが
食べなきゃ評価することもかなわず、
半ライスのそのまた半分でお願いする。
もちろん値段は同じだ。

スポーツ新聞を拡げ、ビールの中瓶を1本。
銘柄はキリン一番搾りで
小皿のわらびの塩漬けと
黄色いたくあん2切れとともに運ばれた。

待つこと10分。
皿にはやや薄めのロースカツと円形のコロッケ。
ほぼ中央にこんもり盛られたキャベツ。
牛挽きとじゃが芋のコロッケなのに
タルタルソースが添えられている。
これに他店の3倍ほどの具が入った豚汁が付いた。
豚小間切れに大根・にんじん・ごぼうの根菜類、
豆腐と油揚げまで入っていて
これだけでごはんが食べられる。

何も付けずにカツを1切れ。
コロモはサクサクで、ラードの風味が香ばしい。
とんかつソースは甘味の陰に酸味も隠れており、
スパイシーなパンチもあって
この店のとんかつにマッチしている。
コロッケも標準以上の出来映えだ。
キャベツ用の自家製ドレッシングは相当に酸っぱい。

行かなきゃいけないと言うほどではないが、
満足できる優良店として評価はできる。
なぜ昼間の営業をしないのかは、聞きそびれてしまった。

 
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2007年9月17日(月)

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