「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第317回
焼肉ならば ここへ行く

文京区・白山上に「Lee Cook」という焼肉屋がある。
あまり焼肉には食指を動かさないのだが
この店には年に1度くらい出没している。
ケムリと油っ気に無縁であるところが
何よりもありがたいし、ほとんどの料理で
洗練された美味しさを提供してくれるからである。

次著の打合わせを終え、担当の編集者と連れ立って
予約も取らずに、1年ぶりでおジャマすると
入り口に近いテーブルにどうにか座れた。
日曜の夜のことで、家族連れを中心に賑わっている。
焼肉店の場合、昼にはライスを取って素直にランチ。
夜ならばビールを鉄則としており、
たまさかマッコリに移行することもあるが、
魅力のない韓国焼酎・真露はけっして飲まない。

メニューに見たことのない品が3つ並んでいる。
豚足・豚耳・牛ほほ肉の燻製だ。
たまたま他テーブルに運ばれてゆく豚足が目に入り、
これがとても美味しそう。さっそく注文を入れた。
あとはトマトキムチ・レバ刺しに
焼肉はハラミ・シビレを塩、並カルビをタレでお願い。

豚足は期待通りの逸品だった。
茹でて冷やしたのを辛味噌で食べさせる店が多い中、
これは独創的なクリーンヒット。
両手でつかんで、むしゃぶりついた。

逆に期待はずれだったのがトマトキムチ。
以前あったフルーツトマトキムチが姿を消し、
ごく普通のトマトになってしまい、
味付けもやたらめったら濃いものに。
これではまったくの別物、今では頼む価値がない。
せめて漬け方だけでも元に戻してほしい。

レバ刺しはデリカシーの極み。
カルパッチョの如くの薄切りで登場。
半分は針生姜と一緒にそのまま生で、
残りは網の上でサッとあぶって楽しみ、
都内屈指のレバ刺しであることを再確認する。

さてと、焼肉。
ハラミとシビレには下味が施されている。
塩ときざみねぎに胡麻油。化学調味料も感じる。
それほど強い味付けではないから
さほど気にならないものの、
特にハラミは塩・胡椒だけで味わってみたい。
常々、次回はぜひそうしようと思っていながら、
いつもつい忘れてしまうのだ。
近々、再訪して夢を実現させたいと思う。

やはりハラミが断然旨い。
シビレもいいが、数日前に曳舟の
「赤坂酒場」(第314回参照)で食べたもののほうが上。
並カルビ(1050円)はこの値段なのに軽い霜降り。
ただし食感にパサつきも見られ、好みのタイプではない。

ふと近所の千石に旧知の友人宅があることを思い出し、
電話を入れると、これから夕飯とのこと。
急遽、豚耳&牛ほほ燻製・ナムル盛合わせ・白菜キムチ・
ねぎチヂミ・ガーリックライスを作ってもらい、
それを手土産に、押し掛けて行ったことでした。
持つべきものは友だちなり。

 
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2007年9月18日(火)

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