「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第326回
ヴェネツィア警察出動す! =欧州篇

トリノに移動する日の朝。
半日だけでも後ろ髪引かれる思いの
ヴェネツィアの街をエンジョイしようと
みな揃って早起きに徹した。
それでもお疲れ気味のK石クンだけは
大事を取ってホテルで休息。

目の前の駅で日本円からユーロに
両替してきたMりとM由子が浮かぬ顔。
どうも受け取ったユーロの額が少ないと言う。
計算してみると1ユーロ=207円の計算。
これはないぜシニョーラ!ってな感じの
神をも恐れぬアコギな換算レートだ。

ちょうど電車の出る駅構内にある両替所のこと。
行きがけの駄賃に文句の一つも
言ってやろうと思い、乗り込んでいった。
もちろんディールの取り消しなど
初めからムリだと承知の上だ。
こちらは甚平姿に雪駄をつっかけてのイデタチだから
日本人観光客が見たら、ヤクザだと思ったろう。

両替所には見るからに悪相の中年オンナが独り。
「シニョーラ、このレートはあんまりじゃないの?」
「何が?表示してある通りよ、ほかに手数料が掛かるのよ」
やり取りはこんな風に始まったのでした。
見れば、換算表に17.9%の手数料が小さく表記されている。

「これじゃ、客をダマしてるのと同じじゃないか!
 詐欺行為に等しいやり方だよね?
 客に手数料の件は説明してんの?」
向こうもいきなりヘンなのが
イチャモン付けに現れたと思ったのだろう。
「そこにちゃんと書いてあるから、読めるじゃないの!
 いちいち口で説明する必要なんかありゃしないのよ!」
完全にキレて、怒鳴り始めた。
イタリア語ではハナから喧嘩にならないけれど、
お互い外国語の英語ならば何とかなる。
もちろん言葉の上だけでのことだが
あとはノーガードの打ち合い。
「これ以上文句言ったら警察呼ぶわよ!」
「逃げも隠れもしないから、早く呼んだらどうだい!」

15分後、警察官が2人到着したのでした。
こちらは手数料の法外さ、
引っ掛かって両替したが最後、
取り消しを許さぬ一方的な理不尽さを訴える。
観光立国のイタリアが観光客相手に
詐欺まがいのことを許していて、恥ずかしくないのか!
この国の将来のためにも、改めるべきではないのか!
こういう状況になると、いつもおとなしく、
文句も言わずに外国人の言いなりになっている
日本人観光客のことが頭に浮かび、
日の丸を背負ったつもりになっちゃうのが
J.C.の単にして純なところだ。

イタリアのお巡りさんというのは意外と気弱で
双方に気を使っているのがよく判る。
ノッポのほうの警官が中年オンナに
聞こえぬよう耳打ちをしてきた。
「両替は銀行でするに限りますよ」
そいつは判っちゃいるが、この日はあいにく日曜日。

結局は出動してきたご両人と握手して矛を収める。
別れ際、くだんのオバちゃんを無視してきたが、
ポリスの現れる前に、捨てゼリフだけはぶつけてきた。
「Be proud of your fuc○ing job!right?」
(もっと真っ当な職業を選びなよ!なっ?)

 
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2007年10月1日(月)

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