「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第336
娼婦と鳩とインド街 (その1)=欧州篇

パリ2日目は、午前中だけ団体行動。
モンマルトルの丘に上り、サクレ・クール寺院や
シャンソニエ「ラパン・アジール」を回る。
以前は売れない画家たちが集まり、
趣きのあったテルトル広場はカフェだらけ。
完全に、商業主義に犯されてしまった。

メトロでコンコルド広場に移動。
そのままシャンゼリゼのゆるい坂を上って
エトワール広場の凱旋門へ。
広場にほど近いカフェで
サンドイッチやらキッシュやらの
遅い昼食のあと、午後は自由行動とした。

J.C.はそこでは昼食を取らず、一足先にみなと別れた。
したがって、この目で確かめたわけではないが、
食後、各自思い思いに散らばって行ったようだ。
聞いたところによれば、単独行動あり、
二人連れありと、まちまちだったよし。

J.C.が独り向かったのはパリにやって来ると
必ず訪れる気に入りスポットのサン・マルタン運河。
年々、輝きを失っていくように思えてならない
パリの街並みも、ここだけは今も昔も変わらない。
マルセル・カルネ監督の映画「北ホテル」の
舞台となったホテルも往時のままに
運河の水面にその姿を映している。

運河に行く前に腹ごしらえをしておかねばと
サン・ドニ門あたりからレストランの物色を始めた。
この界隈にはトルコやインドの安価な店が多い。
クミンの匂うエキゾチックな食事がしたい。

通りに面したカフェには
けばけばしい化粧をした若い女性がたむろしている。
秋波を送られるまでもなく、
一目で春を売る娘たちであることが判る。
そのほとんどがオリエンタルな顔立ちで
中国系やベトナム系が入り混じっているようだ。
街をゆく男たちは人種のるつぼといった
様相を呈しているが、すべてブルーカラーだ。
街は活気づいているものの、殺伐感も漂って
とてもじゃないが、日本人女性の一人歩きはムリだろう。

サン・マルタン門の周りに、鳩の群れが騒々しい。
驚いたことに、車に踏み潰されて間もない鳩が数羽、
そのままの状態で放置されている。
パリの鳩は神経が鈍いのか、ドライバーが乱暴なのか、
おそらくその両方だろう。

パッサージュ・ブラディなるインド料理店の
連なる通りに到達した。
ざっと見て20軒以上はありそうだ。
テラスで食べている客の皿をチラリチラリと
盗み見しつつ、入念に品定めをして
選んだ店が「New Calcutta」。

ムニュ・エクスプレスなるお昼の定食を注文した。
値段は6.87ユーロ。
メニューを見る限り、かなり充実した内容だったが
いざ目の前に運ばれたセットランチを見て
その豪華さにぶったまげた。

            =つづく=

 
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2007年10月15日(月)

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