「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第340回
どこかおかしい機内食 =欧州篇

マレー地区の「Suzette」で
ガレットとビールとシードルの夕食。
ほうれん草をたっぷり食べたので
ポパイになったような気分。
サン・ラザールのホテルに舞い戻る。

3台のタクシーに分乗してシャルル・ドゴールへ。
A子はこの日、旅を継続して、独りランスへ発った。
M由子は1週間ほどパリに残るので
空港へは見送りのためだけに。

免税店でみやげを物色。
適当なサイズのフォワグラ詰合わせを買い求めた。
鵞鳥(がちょう)と鴨のフォワグラの
ペアリングはなかなか気が利いている。
あとは自宅用にアブサンを1本。

エール・フランス機に乗り込み、
離陸後1時間ほどで最初の機内食。
洋食の前菜はクレオール風チキンのサラダで
メインがチキンのフリカッセだった。
誰が発案した献立だか存ぜぬが、
どうしてチキンとチキンを重ねてくるのだろう。
いかにもやっつけ仕事という感じで
心配りがちっとも伝わってこない。
ただでさえ評判のよくない機内食のこと、
もうちょっとチキンとやって、もとい、
キチンとやっていただきたい。

和食は白身魚のあんかけが主菜であった。
前菜は何だったかな?
とにかくあと十数時間で日本の土を踏めるのだ、
ずっと日本食を封印してきたのに
こんなところで、食べてしまったらもったいない。
それに白身魚と言われても、
一体どんなサカナが登場するか知れたものではない。
行きのフライトではメニューに
舌平目とあったにもかかわらず、
供されたのはお化けかれいのオヒョウだったし。

料理名だけ立派なクレオール風チキンサラダの
あまりのヒドさに言葉を失う。
クレオール料理は
ルイジアナ州ニューオリンズに端を発する
典型的なフュージョン料理で
フランスやスペインを初め、中南米・西インド諸島の
食文化がごちゃ混ぜになった感があり、
ケイジャン料理にも似て、双方の区分けが難しい。

そのチキンサラダは調味料や香辛料を
やたらに混ぜ込んだおかげで
味のバランスを完全に失っている。
舌の上に乗せると、不快感すら伴うのだから
もはや料理以前の問題だ。

成田到着前に配られた軽食には手をつけない。
頭の中では帰宅後どこへ出掛けようかと
アイデアがぐるぐると回り始めている。
取りあえず、近所の鮨屋が第一候補。

18時に無事着陸。
このときのパイロットが凄腕で
車輪の着地を感じさせないほどのもの。
出迎えてくれていたIアさんの
旦那さんにお礼を述べる。
愛猫をIア家に預かってもらっていたのだ。
一同、疲れも見せずに笑顔で手を振り、解散。

 
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2007年10月19日(金)

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