「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第343回
ある意味 東京一のラーメン屋 (その2)

神田錦町のラーメン店「ほん田」。
さして広くもない店内は
厨房を囲むカウウターと
ガラス越しに道路に向いたカウンター、
そしてテーブルが1卓。
道路向きの席の居心地がいい。

どうしてこの店がある意味、東京一かと言うと
採算を度外視した、そのサービス精神がピカ一なのだ。
何はともあれ、金300円也のラーメンに脱帽する。
しかも必ず「大盛りにしますか?」と一声掛けてくれる。
この一声はラーメンに限ったことではなく、
ドンブリものも定食類もみな大盛りはノーチャージ。
卓上には、ゆで玉子と小梅に
きゅうりのキューちゃん風の新香も並んでいる。
17〜19時のハッピーアワーは
なんと半餃子(3個)が無料サービスだ。

ラーメンはオーソドックスな醤油味のスープ。
東京ラーメンの典型とも言えるタイプで
中華そばと呼ぶにふさわしい。
中太平打ちややちぢれの麺の歯ざわり・のど越しもよい。
食べ終えるまでノビることなく、
シコシコ感が失われることはなかった。

具は適度な脂身が付いたもも肉のチャーシュー、
それにシナチク・わかめ・焼き海苔。
かなりヤワなわかめが気になるものの、
この程度のことは致し方あるまい。
スープに溶け込む多少の化学調味料にも目をつぶろう。

この値段で、これだけしっかりしたラーメンが
食べられるとなると、
チェーン展開して急成長した「日高屋」などは
枕を高くして寝ていられないのではなかろうか。
数年前におジャマした豪徳寺「満来」の
200円ラーメン以来の驚きであった。

6個付け200円の餃子も良心的だが、
餃子はときどきこの値付けに出会わぬこともない。
それに夕方になると、半餃子が無料になるのだから
暗くなるまで待ったほうが利口かもしれない。
カリット感には欠けるものの、じゅうぶんに楽しめる。

あっさり味の塩ラーメン(450円)もおすすめだ。
小遣いに不自由している学生ならば
醤油ラーメンが不動の定番だろうが、
サラリーマンには食べていただきたい。
他店では550〜600円は下らないシロモノですから。

550円のエビチリ丼にも頭が下がる。
当然のことに輸入の冷凍海老ながら
ケチケチせずに、たっぷり使っているのがエラい。
高級食品の代名詞とも言うべき海老を
この値段で提供しているのは本当に立派だ。
まっ、味のほうはそれなりだけれども・・・。
ドンブリものでは中華丼とスタミナ丼が推奨に値する。

たまたま祝日に訪れた日も
次から次と客が押し寄せているのにびっくり仰天。
この界隈の休日はパッタリと人出が途絶えるはずだが
人というものは安くて旨いものには
どこからともなく、群がってくるものですねぇ。

 
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2007年10月24日(水)

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