「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第352
谷崎潤一郎ゆかりの鮨店

法善寺横丁の「おかめ」で
おでんと燗酒を楽しんだあと、
ホテル日航大阪のラウンジ「夜間飛行」へ。
キャンペーン中のスペシャルカクテル、
エックス・オン・ザ・ビーチが口に合わず、
ラム&フレッシュミントのモヒートで口直し。
そしてグラスワインの
クローズ・エルミタージュを2杯。
つまみにタコ焼きを頼むなど、馬鹿なこともした。

翌日は朝食を取らずにゆっくりと新聞に目を通し、
ゆったりとバスタブにつかってチェックアウト。
姫路行きの列車に揺られ、三ノ宮に向かう。
西宮神社での結婚式は15時から。
その前に三ノ宮は生田神社前の「又平」で昼食だ。
ここも前夜の「寿し吉」同様に
里見真三さんの「いい街すし紀行」に紹介されている。
文豪・谷崎潤一郎ゆかりの鮨店である。

スケジュールを調整して、再び付き合ってくれたのは
前夜「夜間飛行」で打ち上げた旧友・S原クン。
友だち付き合いのよいことこの上ない。

さて、やって来ました「又平」。
朱色に「又平」の文字が白く染め抜かれた暖簾に
風格が感じられるものの、何せ建物がすさまじい。
古くさびれたビルの壁面に
「ナイト・アンド・デイ」の文字が読み取れる。
阪神大震災の前はキャバレーだったそうだ。

S原クンはクルマだし、こちらも赤ら顔で
披露宴のスピーチというわけにもいかない。
わけにもいかないが、
幸いアルコールが顔に出ないタチにつき、
スーパードライの中瓶を1本、1人で飲む。
つけ台にはすでに粗塩・つけ生姜・すだちが並んでいた。
昼のおまかせにぎりは、3千円と6千円の2種類。
ずいぶんと差があるが、その差を見極めるために
それぞれ1人前ずつお願いした。
その内容は下記の通り。

3千円―車海老・まこがれい真鯛2カン・〆鯵2カン・
3千円―剣先いか帆立2カン穴子2カン
3千円―べったらw/大葉かんぴょう巻き
3千円―しじみ澄まし椀

6千円―車海老おどり・まこがれい・真鯛焼きにぎり2カン・
6千円―真鯛・縞鯵2カン・剣先いか・真いわしw/卯の花・
6千円―帆立2カン穴子2カンべったらw/大葉
6千円―いちぢく・かんぴょう巻き
6千円―縞鯵茶そば蒸し・ぜんざい
                    青字が共通モノ

真鯛の焼きにぎりは筏鮨と呼ばれ、
卯の花と卵黄の裏ごしを
まぶした真いわしのにぎりは雪花鮨と称する。
ほかに谷崎が好んだ海草小巻は
煮穴子のにぎりを焼き海苔で手巻きにしたもの。
いずれもネーミングのセンスに疑問符が付くが
意図は伝わらないこともない。

食後感はよかった。
それなりに愛想よく接してくれた主人が
常連客が来店した途端、大いに相好を崩したのには
少々鼻白んだが、商売というものはそういうもの。
「寿し吉」にも「又平」にも、
じゅうぶん楽しませていただいた。
里見さん、ありがとうございました。

 
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2007年11月6日(火)

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