「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第357回
図書館帰りの梅豚うどん

文豪や巨匠の食跡をたどるために
読書三昧の毎日を送っている。
すべての本を購入するほどリッチでないから
本当に久しぶりに図書館のお世話になっている。
図書館にはまったく無縁の人間につき、
訪れたのは実に29年ぶりだ。

何でこんな古いことを正確に覚えているのかというと
大事な調べ物があって、ある週末の2日間というもの、
千葉県松戸市の図書館に缶詰になったからだ。
何を調べたのか恥を忍んで打ち明ければ、
1975〜78年の3年間に渡り、
中央競馬会が開催した全レースを分析したのだ。

その週末の数日前のこと。
すばらしいアイデアが脳裏にひらめいた。
当時は買う馬券の9割がたが連勝複式。
要するに馬枠を買うわけだが、
6・7・8枠が複数になる11頭立ての場合、
無条件でその3枠の三つ巴を買えば、
勝率がグーンと高まると踏んだのだった。
ほかの枠は単騎だが、馬券を買う3枠は
対子(といつ)なのだから、かなり有利なハズだ。

そして調査の結果は1975年からの3年間において
11頭立てのレースだけに限り、
6〜8枠の三つ巴馬券を買った場合、
3年すべてが大幅なプラスになったのである。
いやぁ、小躍りしましたネ。
ガッツポーズも出たと記憶している。
そりゃそうでしょう、
だって勝利の方程式を発見したんだもの。

そして1978年は大きく勝負に出たのであった。
そしてその年は何と、何と、予想通りに
もとい、予想に反して、大きく負け越したのだった。
さすがのJ.C.もプッツンしましたネ。
それを潮目に、競馬はプッツリやめました。
馬はレースなんかより、
ロースの桜鍋のほうがよほどいいわい。

そう、図書館のハナシであった。
合羽橋道具街の台東区中央図書館で借りた本を
自宅に近い浅草橋分室に返却する。
柴田錬三郎・梶山季之・檀一雄・吉行淳之介
有吉佐和子などなど、締めて15冊もあった。

その帰り道の昼メシは浅草橋4丁目の「日向亭」。
この店の中細打ちのうどんは
ツルツルのシコシコのモチモチ、そのコシが命。
反対につゆは凡庸というか、
化学の力まで借りた感心できないもの。
それでも久々に食べたくなっての入店だ。

すでにいろいろなメニューを試しているが、
今回は未食の梅豚うどん(900円)に挑む。
どんぶりには、しゃぶしゃぶ風の薄切り豚肉、
あまり良質ではない梅干が1個、
そしてたっぷりのほうれん草。
茹でるのに10分以上もかかったうどんは
相変わらず快適な歯応えと舌ざわり。
しかし、つゆも相変わらずケレン味がいっぱい。
ほうれん草も煮すぎてクッタクタ。
結局は前回に引き続き、
「続・四丁目の憂鬱」と相成った。

 
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2007年11月13日(火)

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