「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第360回
ちょっとオチたか「煉瓦亭」

銀座の洋食御三家は
「資生堂パーラー」・「煉瓦亭」・「みかわや」。
しばらく「煉瓦亭」にごぶさたしていることだし、
かきフライのシーズンにもなったので出掛けた。
かき料理の気に入り店は有楽町の「レバンテ」ながら
あちらはもう少し秋が深まらないと、
自慢の的矢の生がきが登場してこない。
生がきは食いたいが、あいや、まだまだ、なのである。

待ち合わせた高校の同級生のK石クンの姿なく、
ビールを飲みながら、待つことにする。
この店はサッポロラガー、
いわゆる赤星の中瓶しか置かないけれど、
このビールは大のお気に入り。
普段、エビスの悪口ばかり言っておりますが、
赤星はいつもほめておりますので
勘弁して下さいネ、サッポロさん。

相変わらずのくたびれた顔で、K石クン登場。
この人がゲンキにやって来たのを見たことがない。
畜殺場に向かう黒毛和牛の如く、しめやかに現れた。
ここは一番、かきフライでも食べてもらって
滋養強壮の摂取に励んでもらうしかない。

まずは接客係のオバちゃんに
かきフライの注文を入れると
驚くなかれ、売り切れとのたまうではないか。
アチャー、やっちまったヨ。
それはないぜ、セニョーラ!
泣こうが、わめこうが、無いものは無い!
潔くあきらめた。

長年、銀座に勤めていながら「煉瓦亭」が
初めてだという彼のために、必食のポークカツレツ。
それにJ.C.もまだ試したことのないポークチャップ。
あとは蟹サラダと締めのハヤシライスだ。

たらば蟹の脚肉を使用して
ポテトサラダも添えられる蟹サラダはグッド。
カツレツも相変わらずの美味しさで
この店のベストメニューとしての面目躍如。

しかしポークチャップがイケナかった。
いわゆるポークソテーは豚肉に火が通りすぎている。
肉の上にはパイナップルの缶詰が
これ見よがしにドデンと丸1枚。
しかも値段がカツレツの1250円に対して
1600円とかなりの割高感だ。
結局「煉瓦亭」の豚モノはカツレツに限る。

ハヤシライスも好みのタイプではない。
池波正太郎翁はここのハヤシが好物で
自宅でもそれを真似て作ったりしている。
牛肉たっぷりは評価できるものの、
玉ねぎがほとんど生状態なのだ。
シャキシャキとした食感は
ほとんど野菜炒めのそれに近い。
「煉瓦亭」では、よく出るハヤシよりも
あまり出ないカレーを強く推奨したい。

飲みものはビールだけで
2人で5本も飲んだろうか、支払いは9000円也。
フレンチやイタリアンに比べて、洋食は本当にお手頃だ。
当夜の2軒目は同じく銀座の「U」なるラウンジ。
そして3軒目は浅草の「U」というバー。
たまたま店名が同じ2軒を
ハシゴすることが多いわれわれなのです。

 
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2007年11月16日(金)

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