「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第362回
「たんたん亭」のラーメンは煮干しの匂い (その2)

浜田山駅前の「たんたん亭」。
開店の11時を15分ほど回った頃に到着すると、
早くも先客が5人。人気のほどがうかがえる。
この日はチャーシュウメンを食べるつもりが
ミックスワンタンメン(1100円)に浮気した。

焼き豚のチャーシュウがとてつもない旨さ。
普段、チャーシュウメンを頼むことのないJ.C.も
これならばイケると踏んだにもかかわらず、
突然の心変わりは小さな疑念が生じたためだ。
美味しいものも食べ過ぎるとイヤになる。
どんな美人も3日見ていりゃ飽きてくる。
先人の教えに素直に従うことにしたのだ。

先人の教えもさることながら、
実は初めて訪問したときの
ワンタンメンの味が忘れられないのも一因。
そのときは肉ワンタンメン(1000円)と
海老ワンタンメン(1200円)で大いに迷った。
ところが今回、壁の品書きを見上げると、
ミックスワンタンメン(1100円)なる
新メニューが目に飛び込んできた。
この誘惑に抗うこと能わず、ついお願いする。

新商品には肉と海老の餡が詰まった
テルテル坊主のようなワンタンが仲良く3個ずつ。
ほかの具材は基本メニューの支那そばと
寸分も変わるところがない。
もちろんくだんの焼き豚も1枚、
その周りを食紅で赤く染めて健在だ。

やっぱりあと2〜3枚ほしかったなぁ。
チャーシュウミックスワンタンメンを
特注すればよかったかなぁ。
女々しくも、未練心につまずいている。

まっ、いいか!と思い切って
麺のほうからすすり始めた。
数日前に食べたばかりなのに
再び舌が喉が喜んでいるのを実感できる。
もしも猫であったなら恥も外聞もなく、
喉をゴロゴロ鳴らすところだ。

肉と海老を1個ずつ食し、麺を完食したあとで
残りのワンタンをスープと一緒に楽しむ。
ここの支那そばは旨い。
チャーシュウメンも旨かろう。
しかしてイチ推しはワンタンメン。
それも2種類同居のミックスワンタンメンがいい。

その間にも客は入れ替わり立ち代り。
同名の支店が阿佐ヶ谷にもあって
どういうわけかあちらは割安なのだという。
立地的に競争相手が多いのかもしれない。
あるいは浜田山と阿佐ヶ谷では
生活水準の差があるのかしら。

この日は気分爽快の天気快晴。
思い立って浅草橋まで歩いて帰ることにした。
浜田山―阿佐ヶ谷―高円寺―新井薬師―下落合―
高田馬場―雑司が谷―小石川―本郷―湯島―浅草橋
最短距離ではなく、回り道をして所要時間は6時間。
古今亭志ん生の十八番「黄金餅」ではないが
ここまで歩いてワタシもくたびれた。

 
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2007年11月20日(火)

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