「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第367回
あの「元祖恵比寿ラーメン」は今!(その2)

浅草・千束に移転して
約10年近くになる「元祖恵比寿ラーメン」を
気に入りラーメン店再訪シリーズの
第3弾として取り上げている。
3年ほど前に抱いた違和感を
検証したいこともあって再訪した。

11月も半ばをすぎて好天ながら肌寒い、とある日。
祐天寺のもつ焼き専門店「忠弥」を訪れた。
午後3時半開店のユニークな店は
6〜7時には売り切れるというほどの人気を誇っている。
売り切れや混雑を恐れ、3時半前には到着して
もつ焼きを堪能したのだが、
その様子は近々あらためて紹介する。

「忠弥」の帰り。
中目黒で日比谷線に乗り換え、上野の先の入谷で下車。
入谷随一の商店街・金美館通りをそぞろ歩いて
千束の「元祖恵比寿ラーメン」に到着した。
時計は午後7時をすでに回っていたように思う。
先客は誰もいない。
店主独り、客独りのマンツーマンの状態となる。

テレビのボリュームがハンパでなく、
相当に耳障りなのだが
東京ドームの幼稚な応援の騒音を思えば、
ナンボかマシだ。
どういうつもりなのかね、あれは?
選手の名前や、ホームラン!ホームラン!の連呼に
いったい何の意味があるんだろう。

店内には券売機が設置されているにもかかわらず、
故障したのか、カウンター精算の貼り紙が1枚。
ラーメンは650円と、ずっと値段が据え置かれている。
おひやはセルフサービスだが、ぼんやりしている隙に
これまたずっと同じ顔に据え置かれた店主が
外へ出てきて、運んでくれた。
ごっつい顔に似合わず、意外と親切なのだ。

5分後、目の前に置かれたどんぶりは案の定、
表面を油が覆っていた。
具材は丸く弧を描いたバラ肉チャーシューが2枚、
相変わらず目一杯のシナチク、
そして油を吸いまくった小切れのような焼き海苔が1枚。
今回のチャーシューはなぜかバラ肉だった。

胡椒も振らずに、さっそくスープを一口。
やはり油っ気が気になるし、コク味も足りない。
平凡なスープになってしまったものの、
化学調味料を感じさせないところは、さすがだ。

ほぼストレートの細打ち麺は粉々感を伴って
舌ざわり、歯応えともに秀でている。
さんざっぱらもつ焼きを食べたあとなので
麺少なめでお願いしたのに、普段と変わらぬ量があった。

食べ終えて思う。
惜しいことだが、お気に入りリストからハズそう。
以前とは別物のラーメンになってしまっては
客足が衰えるのも致し方あるまい。
この夜もほかに1人来店しただけだった。
元の味に戻すか、新たな味を探求するか、
何かしら手を打たないと
今のままでは「元祖恵比寿ラーメン」に明日はない。

 
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2007年11月27日(火)

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