「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第369回
人気絶頂の海鮮ひつまぶし(その2)

目の前の鮨職人の指導は無視することにした。
海鮮ひつまぶしの全容を紹介すると

桶に盛られた酢めしの上には
 海胆・いくら・真鯛・まぐろ赤身・サーモン
海胆以外は、いくらより一回り大きいサイの目切り。
あとはほんの少量ずつだが
 いか(いかの種類は判別不能)・甘海老・穴子・
 子持ち昆布・ベイビー帆立のヒモ
別皿には
 しいたけ・蓮根・かんぴょうの煮たのと
 漬け生姜に粉わさび

茶碗に少量よそってから、ちょっぴり醤油を垂らす。
口に運ぶと、別段、旨くもなんともない。
ふんだんに使われる真鯛と赤身は
スジの多い、質の悪いものだ。
海胆も粗悪だが、量はたっぷりあるから
海胆好きは喜ぶだろうが、
われわれには不要というより、むしろジャマ。
いくらとサーモンの親子コンビもじゅうぶんな量だ。

それに引き換え、穴子や甘海老や子持ち昆布は
雀の涙程度だから、きわめてバランスが悪い。
残ったネタを優先的に処理しようとする
あざとさが見え見えなのだ。

酢めしに根性がないから
わさび醤油を振り掛けないと生臭みが際立ってしまう。
ここにいたって店側が
全体に醤油を掛けろという意味が判った。
2人で分け合って、食べているのだが
お互いの顔にはすでに疲労感が漂い始めた。

それにしても、築地市場セットはどこへ行った?
海鮮ひつまぶしが現れて15分は経過している。
分け合っていなければ、片方が食べ終えるほどの
時間が経っている。

海鮮ひつまぶしの2膳目はサイドの煮物を
混ぜ込んで食べるしきたりだという。
全体に甘みが加わるだけで
これまた面白くもなんともない。
店の指導の通りにしていたら
醤油と醤油味が重なり合って
かなりしょっぱくなっていたに違いない。
だから言わんこっちゃないのだ。

やっとこさ築地市場セットが登場する。
何のことはない、
にぎりに生青海苔の味噌椀が付くだけのことだった。
にぎりに移行する前に
ひつまぶしの3膳目をやっつけてしまうことにする。

3膳目は出汁を掛けて、お茶漬け風に食べるのだ。
一口サラッとやった瞬間に、まず違和感を覚えた。
舌が拒絶反応を示しているところを
何とかだまして、無理やり嚥下する。
あと味など、よいワケがない。
3膳目には致命的な欠陥があった。
それについては、また明日書くことにしましょう。

 
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2007年11月29日(木)

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