「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第377回
ロースカツは驚きの柔らかさ (その2)

ニューヨークから里帰り中のM永クンと
日頃、お世話になっている
出版社勤務のN荻サンとともに
高田馬場の「とん太」に来ている。

海老・かき・銀ムツの盛合わさった
シーフードのミックスフライに続いて
特ロースカツが登場した。
厚さは2センチほどもあろうか、
薄いキツネ色に揚がっている。
極上の豚ロースはミディアムレアといった感じ。
ピンク色の肉肌にサシが入って
見るからにジューシーだ。

一切れほおばって驚愕した。
何という柔らかさだろう。
柔らかければよいというものではないが
肉汁があふれ出て
こんな柔らかさなら大歓迎だ。

M永クンはアメリカにこれほどの豚肉はないと言う。
N荻さんは生涯ベストのとんかつだと言う。
J.C.にとっても生涯のベストスリー入りは確実だ。
最初の一切れはベトナム産の塩、
二切れ目は生醤油と練り辛子、
三切れ目がすり胡麻入りウスターソースに
多めの辛子と、変化をつけながら味わった。

ビールがどんどん進む。
その夜は日本酒や焼酎に移行せずに
ずっとビールでいいやという気になってきた。
酒に強くはないN荻サンは
早くもライスと豚汁と新香盛合わせだ。

食事のときの味噌椀がこの店では豚汁以外に
しじみとワカメが揃っていて
これは他店にも見習ってほしいところだ。

イカフライと上ヒレカツを追加する。
イカは文甲イカでかなり肉厚。
これまた柔らかいが、あまり好きではない。
スミイカや槍イカをとはいわないが
スルメイカのほうがありがたい。

ヒレカツの水準も高いものがあった。
ただし、どちらかを選ぶとすると
迷わずロースカツに軍配を挙げる。
打ち上げのために来店した7人組は
男女全員揃って、ロースカツを注文した。

見上げた壁の貼り紙に
 「サービスメニュー
    ロースカツ丼 997円」
とあり、これを注文して分け合い、締めとした。
ついでに、しじみの味噌椀をお願いすると
これはあまりしじみの出汁が出ていない。

サービス品のカツ丼は
ごはんが少々柔らかい点を除けば、
甘辛の塩梅、玉子のとじ具合、
玉ねぎの火の通し、すべてよい。
そして少なめの丼ツユが何よりだ。
どんぶりモノのツユダクほど
品性を欠く食べ方はない。

 
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2007年12月11日(火)

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