「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第382回
餃子の店だが 餃子に不満 (その1)

神楽坂にはよく出掛けるので
JRの飯田橋駅にはひんぱんに降り立つ。
毎週とは言わないまでも
月に3度、10日にいっぺんは来ているだろう。

外堀側の改札を出ると右に曲がって
神楽坂下方面に向かうことがほとんどだが
とある夜、ふと思って方向を左に取った。
九段の靖国神社に続く道筋だ。

この夜は出版社の担当者との打ち合わせ。
神楽坂界隈という場所だけを決めておいて
店はまだ特定していない。
最初は「かぐら坂新富寿司」で
先方がやって来るまでの間、
名物婆ちゃんとビールを酌み交わそうと
思っていたのだったが、突然の心変わりをした。
婆ちゃん、ごめんヨ、またそのうちネ。

牛込橋を渡り切り、警察病院を右に見ながら
思いついたのは「餃子の店 おけ似」。
この角を右折すると
ラーメン店「大勝軒」と「青葉」が続き、
その隣りが餃子専門店「おけ似」なのだ。

立て込む店だが、カウンターくらいは
空いているだろうと、そのまま進む。
この店のカウンターは椅子の
間隔がゆったりしているから
打ち合わせもじゅうぶんに可能。
いっぱいだったら、ヨソへ回れば済むことだ。

入店すると都合のよいことに、四人掛けが空卓。
今宵はここに居座りを決め込む。
一番搾りを飲みながら、近所の書店で買い求めた
雑誌「食楽」の1月号に目を通す。

鮨屋特集は綿密に取材されており、
掲載店は玉石混交ながら、参考になる店も多い。
ただし、国立の「鮨割烹 羽月」の
若き店主のK村さんが、お客のM上さんに
小肌のにぎりを出すときのお顔。
鮨職人がつけ台ににぎりを置くとき、
こんな表情は絶対にしませんヨ。
でもこれは被写体の責任ではない。
カメラマンの管轄ですな。

出版社のE川氏から電話が入って
飯田橋に到着とのこと。
道順を説明しておいて、追加ビールと
焼き餃子とニラレバ炒めを注文。
餃子は7カン付けで、ニラレバは小皿。
これがともに525円とお手軽価格だ。

「お疲れ様!」の乾杯のあと、
ピータンと紹興酒もお願いしておく。
運ばれた餃子はここ何年もの間、
まったく変わらぬ焼き上がり。
片側はこんがりとキツネ色で美味しそう。
落とし穴は反対側にあるのです。

          =つづく=

 
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2007年12月18日(火)

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