「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第383回
餃子の店だが 餃子に不満 (その2)

「餃子の店 おけ似」の餃子が
卓上に置かれている。
すでに何度も口にしているものだ。
この夜も変わらぬ焼き色を見せている。

鉄板に接していたほうは
見るからにカリッとクリスピー。
だが、反対側がいつもダメだ。
妙にヌルヌルして粉っぽい。

餃子専門店の主力商品が
この調子ではシャレにならない。
餡の具合は悪くはないし、
結局、諸悪の根源は皮なのである。

餃子の不始末を補ったのがニラレバだった。
以前はおざなりだったが、今回は改善されていた。
片栗粉入りのコロモを付けて揚げた豚レバーを
炒めたニラと合わせ、醤油ダレで和えた感じ。
ごはんのおかずならいざ知らず、
ビールの友にはこのスタイルもまたよい。

白髪ねぎを添えたピータンで紹興酒を楽しむ。
台湾みやげのすばらしいピータンを
ずっと食べ続けてきたものだから
どうしても比べてしまうのは致し方ない。
それでも紹興酒にはかかせない一品には違いない。

何かこの店に来るといつも同じものを
注文してしまい、当夜も八宝菜をお願い。
これはE川氏のリクエストだ。
近著「古き良き東京を食べる」では
豚のバラとガツばかりで
魚介類の不在が不満と、苦言を呈した皿だ。
ところが此度はごくごく小さいながらも
小海老が散見されたのだった。
スライトリー・ベターとしておこう。

前回は八宝菜を玉子でとじたものが
トッピングされた五目そばで
メニューの重複という失敗をやらかした。
今回は迷わず心に決めていたタンメンを。
これは初めての試みだったが、
うれしい誤算の大当たり。

まず太打ちの麺がよい。
終いまでノビずにシコシコ感が持続する。
2人でシェアするのにちょうどいい分量だ。
塩味スープの化調も許容範囲で
醤油味のスープよりもまろやかさが際立つ。
具材は豚の小間切れともやしと白菜。
このシンプルさこそが
「おけ似」のタンメンの魅力と言える。

通常は、打ち合わせを済ませてから
飲み食いを始めるのだが、
当夜はスタートの時間が時間なので
満腹のほろ酔い気分で資料を取り出した。
新しい企画が煮詰まってくるのは楽しい。
談論終えて夜も更けて
神楽坂で飲み直そうとも思ったが
本格的な忘年会シーズンを前に
節制に努めた2人であった。

 
←前回記事へ

2007年12月19日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ