「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第387回
オイスター・バーに再びガックリ

アトレ品川に華々しくオープンした
「グランド・セントラル・
オイスター・バー&レストラン」を
2年ぶりで再訪。

ニューヨークの本店には何度も訪れた。
ディナーを食するというよりも
カウンターで生がきを
つまむことのほうがはるかに多かった。
グランド・セントラル駅構内というロケーションが
使い勝手のよさにつながっていたのだ。

ニューヨークの本店では生がきはともかく、
ほかの料理はまったく冴えなかった。
魚介料理はアメリカ風なら
「マンハッタン・オーシャン・クラブ」で
フランス風なら「ル・ベルナルディン」と
相場が決まっており、
それがニューヨーカーの常識だった。

今回の東京店は予約がすんなり取れた。
もっとも手配してくれたのは当夜の相方。
前回は喫煙席で、空気の清浄度・
デコのセンス・テーブル同士の間隔と
何をとっても居心地の悪い環境だったが
今回はそのすべてにおいてずっとマシ。

生がきはブルーポイント(米ワシントン州産)と
的矢(三重産)の2種類を味わう。
やはり的矢に勝るかきはない。
例によってカクテルソースやヴィネガーは使わず、
レモンだけを搾ってツルリとやった。
ホースラディッシュはすし屋の漬け生姜のように
かきとかきの合間にちょいとなめただけ。

細かいパン粉で揚げたNY風かきフライは
往時のニューヨークではとんと見掛けぬもの。
最近は流行っているのかもしれないが
何でもかんでも名前にニューヨークを
かぶせればよいというものではない。

相変わらずクラムチャウダーは
貝の持つコク味が足りない。
クリームだけが主張している感がある。
もっとあさりをたっぷり使ってほしい。

エスカルゴにヒントを得たと思われる
オイスター・ブルギニョンも感心しない。
かきはあまりニンニクと合わない貝で
これをやるなら、はまぐりかツブ貝だろう。
さざえあたりも相性がいいハズだ。

金目鯛のポワレはなかなか美味しかった。
ただもうちょいと熱の通しを
軽めにしてもらいたい。
最近、とみに注目されだして
年々、価格が高騰している金目は
そのしっとりとした身肉を楽しむためにも
微妙な火入れが要求される。

結局、今回もほぼ前回と
同じようなものばかり食べたのだが、
料理に改善の後はあまり見られなかった。
かきを食べるなら、どこを差し置いても
真っ先に有楽町の「レバンテ」を推奨します。

 
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2007年12月25日(火)

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