「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第397回
歌舞伎座前の「辨松」の弁当 (その1)

隔週の日曜日、朝の9時半に掃除のオバさんが
やってくるため、早朝(でもないか?)から
家を追い出されるハメに陥る。

これが微妙にして厄介な時間。
朝食というか、ブランチというか、
とにかくエサをもとめて、そのまま外出すると、
ホテルの朝食には間に合わないし、
デパートの開店にはちょいとばかり早すぎる。
もしも土曜であったなら、
築地の魚河岸に直行すれば、
問題は解決するのだが・・・。

そこでどうするかというと、作戦は2つある。

作戦その1
 浅草界隈の朝から開いている定食屋、
 あるいは喫茶店のモーニングを利用する。
 雷門の並びの「ときわ食堂」、
 ROXそばの「珈琲アロマ」、
 観音裏の「ミモザ」あたりがよろしい。
 ファミレスやファーストフードは
 一食ぶん、損した気分になるので、まず使わない。

作戦その2
 コレド日本橋の地下1階、スーパーPresseの前に
 設置されているテーブルを確保してから
 Presse、もしくは高島屋で食料を買い求め、
 テーブルに舞い戻って包みを開き、
 「いただきま〜す!」とやる(第38回参照)
 テーブルをゲットしたりするうちに
 デパートの開店時間がやってくるという寸法だ。

つい先日も作戦その2を実行に移した。
Presse前の6つの食卓(?)、
(コレド側は食卓とは想定していない)のうち、
3つも空いていて楽勝の巻。
そのうちの1つにその日の日経の朝刊を置き、
いざ、買出しに打って出る。

高島屋ばかりで買い物をすると、
外部からの持ち込み色が強くなるので
なるべくPresseで買うことにしているのは
義理と人情をハカリに掛けたとき、
義理が重たい男の世界に生きているからだ。

さっそく開店したばかりのPresseの右側、
サラダ売り場のほうから入店して物色を始める。
10時過ぎに食事を取る人間は少ないので
弁当類の品揃えは、けっして多くはない。
以前は見掛けた関東近辺の駅弁の姿も
この日はまったくなかった。

ふと目についたのが、歌舞伎座の正面に
本店を構える「木挽町 辨松」の弁当だ。
幕の内、赤飯弁当、二重弁当と並んでいる。
過去において何回か口にしているこの店の弁当は
総じて甘めの味付けながら、わりと好きなほうだ。
日持ちをよくするための甘さだろうが
塩気を強めるよりも、まだ許せてしまうのだ。

 =つづく=

 
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2008年1月9日(水)

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