「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第399回
東京のエスニックはダメだ!

世界で一番ミシュランの星が多い都市は
どうやら東京ということになった。
責任者のナレさんも東京の食シーンの
すばらしさを重ねて強調していたことだし・・・。

掲載店がすべて星付きいうのも
不自然な感じがするけれど、
総合的に評価すれば、
東京の「食のスタンダード」の高さは
やはり世界一だろう。

それでは世界第2位の都市はどこだ!?
となると、それはニューヨーク。
ミシュランつながりで、パリじゃないのか?
というご意見もあろうが、
パリはすでにいったん終わっている。
自国の食文化を誇るあまり、
ほかの国の料理があまりにもお粗末。
殊に日本料理など、料理以前の問題だ。
オマケに肝心のフランス料理に
進歩のあとが見られずに、退歩している有様だ。

さて世界一の東京と世界二のニューヨークだが、
一番が二番に太刀打ちできない分野が2つある。
まずはイタリアン。
食材の多様性、ガツンとくるインパクト、
拡がりの角度と奥行きの深度、どれをとっても
東京のイタリアンはニューヨークのそれに及ばない。

分がいいのは食材における魚介類だけだろう。
海の幸のサラダ、魚介のパスタ、
鮮魚の炭火焼きあたりは東京が上なのだが
あとがまったく続かない。
これには退屈感とともに寂しさを感じる。

東京のもう1つのウイークポイントがエスニック。
とにもかくにも値段が高すぎる。
経営者がその国の人だろうが、
日本人だろうが、金儲け優先になってしまい、
たとえばベトナム料理でもタイ料理でも
現地から日本に来ている留学生や
研修生が食べに行けない価格設定になっている。

客は日本人ばかりだから、
当然日本人の舌に合うようにアレンジされている。
その結果、われわれは高いお金を払った上に
ニセモノを食べさせられているのである。
憂慮すべき問題だ。

去年の暮れも押しつまった頃、
浅草には数少ないタイ&ベトナム料理の
「クロープクルア」を3年ぶりに訪れる。
これが3回目で、初回の印象はよかったものの、
2度目に海老のグリーンカレーで外した。
滅茶苦茶甘かったのだ。
そのリベンジも兼ねたが、
やはり海老カレーは手の施しようがなく、
オマケに化学調味料にもトドメを刺されてしまった。

生春巻きのゴイクンと
揚げ春巻きのチャージオがまずまずながら、
春雨サラダのヤムウンセンが駄目で、
オッツケお通しの鳥手羽元は半ナマどころか本ナマ。
苦情を呈すると、もう1度、電子レンジで温めてきた。
すべての店とは言わないが、
東京のエスニックにはつくづく失望させられる。

 
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2008年1月11日(金)

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