「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第404回
珍しや かきクリームコロッケ

深夜に乗ったタクシーの中に携帯電話を忘れた。
降りてすぐ気が付いたのだが
クルマはすでに走り去ったあと、
はるか彼方の赤いテールランプがうらめしい。
領収証があったのでタクシー会社に電話を入れると、
ドライバーとはなかなかレンラクが取れない様子。
ぐっすり眠って翌朝、
ふたたび電話を入れ、営業所に保管されていることを確認。
さっそく出向いていった。

降り立った駅は総武線・新小岩。
江戸川区中央という聞いたこともない地番にある
営業所へは徒歩15分ほど。
散歩を楽しむ感じで歩き、無事にゲットした。
新小岩には気に入りの店が2軒ある。いや2軒あった。
うち1軒のラーメン「匠屋」が錦糸町に移転して
現在は洋食&とんかつの「こいわ軒」1だけとなった。

新小岩に到着した時点で
その日のランチは「こいわ軒」と決めている。
J.C.のような日常生活を送っていると
突発的に遠隔地に赴くような状況に陥っても
それがちっとも苦にならない。
何軒か知ったる店を再訪する機会に成りうるし、
たとえなじみの店がその土地になくとも
それはそれで新しい出会いがないとも限らないからだ。

ハンバーグや海老フライやオムレツはすでに食べている。
この店のハンバーグは
にんにくを利かせたデミグラソースが
かなりのインパクトを伴う珍しいものだ。
いまだ未食の看板メニュー、
ロースとんかつの定食をお願いした。
それに1つから揚げてくれる、かきフライを追加する。

ふと、壁の貼り紙に目をやると、
かきクリームコロッケなる一品に目がとまった。
蟹クリームや海老クリームはどこでも見掛けるが
かきクリームコロッケはありそうでなかったメニュー。
かきとクリームなら、いかにも相性がよさそうだ。

あわてて接客のオバちゃんを呼び止めて
かきフライがまだ油に没していなければ、
かきクリームコロッケに差し替えてもらおうとすると、
ひとっぱしり走って厨房から戻った彼女曰く
「入っちゃいました!」―それはそれでいいでしょう。
食べ過ぎ覚悟で、かきクリコロも追加した。

ロースカツは上野の「本家ぽん多」の
それに似て、ずいぶんと白っぽい。
適度な脂身のついたロース肉は
柔らかく、旨みもじゅうぶんであった。
はがれやすいいコロモが玉にキズながら
味噌汁・新香・ライスがついて
850円の値段には文句のつける筋合いがない。
別皿のかきフライ(160円)もなかなかの揚げ上がり。

さてさて本日の期待の星、
1個340円のかきクリームコロッケだ。
細長い円筒形で登場したところをパクリとやると、
クリーミーな味と香りは感じるものの、
惜しいかな、肝心のかきが風味に乏しい。
けして悪くはないが、期待に応えうるものではなかった。
これならかきフライを2粒もらったほうが利口だろう。
それでも、意外なメニューとの遭遇に
アイデア賞だけは進呈しておきたい。


本日の店舗紹介
1 「こいわ軒」
http://www.daymove.net/shop/fd/koiwaken/koiwaken.html

 
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2008年1月18日(金)

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