「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第415回
とんかつ屋の前に 行列を発見!

1月某日、午前11時過ぎ。
あてもなくランチを求めて出掛けた。
都営浅草線・浅草橋駅のホームで
日本橋方面でも浅草方面でも
とにかく来た電車に乗るつもりだった。

先に到着したのは急行・三崎口行き。
後ろから2両目の車両に乗り込むと車内はガラガラだ。
頭の中では東銀座界隈か、あるいはそこから歩いて
築地の魚河岸にでも行ってみるかと、ぼんやり考えていた。

取りあえず読み掛けの朝刊に目を通す。
ふと気がつけば、電車は品川駅のホームにすべり込んでいる。
ええい、ままよ! とそのまま乗り越して先に進む。
Suicaになってこういうマネができるようになった。
どこで下車しようが運賃の精算をせずに
改札を出られるのはとても便利だ。
降り立ったのは京急蒲田駅。名にし負う餃子の街である。

蒲田には来たものの、餃子を食べる気にはなれず、
そのままJRの蒲田駅方面に向かって歩いていると、
途中、とんかつ店の前に8人ほどの行列ができている。
行列のできるとんかつ屋は有楽町のガード下の
「とんかつ繁」のほかに思い当たらない。
あちらも実のあるとんかつを
千円ポッキリで食べさせてくれるのだ。
おそらくこの店もそんな優良店ではあるまいか。

屋号は「味のとんかつ 丸一」。
体が自然に動いて列の最後尾に付いた。
店先に貼り出された品書きを見ると、
ランチタイムの定食は3種類。
ロースかつ(1000円)、ひれかつ(1100円)、
半ひれかつ(800円)とある。
回転率がよく、ほどなく3番目くらいに進むと、
店内から女性が注文を取りに表れ、ロースをお願いした。

14席のみのカウンターに着くと、
まず最初にほうじ茶と白菜の新香が配られた。
待つこと5分少々で立派なロースかつが
千切りキャベツとパセリとレモンを従えて目の前に。
厚切りの豚肉は淡いピンクをその表面に残している。
無菌豚・林SPFのポスターが壁に貼られていた。

コロモはかなり濃い茶色。
こんがりと揚げられている感じだ。
脂身はやや少なめで、パクリとやると
旨みが口いっぱいに拡がった。
卓上には塩が見当たらず、2切れを醤油でやり、
あとはとんかつソースでいただく。
惜しむらくはこのソースの甘さ。
練り辛子をたっぷり塗ってごまかそうとするも
ずっと気になった。

豚汁は大根・にんじん・玉ねぎ入り。
生姜の風味のおかげで、もつ煮込みのような香りがする。
七色唐辛子を振り込んで、なかなかの味だった。
白菜漬けもそこそこの量があってケチくさくない。
ごはんが炊き立てのホッカホカ。
またしても惜しいのは、その柔らかさで、
ケニアのマータイさんではないが、モッタイナイ!
それでも総合的に判断すると、お値打ちのランチだ。
思えば遠くへ来たもんだが、蒲田に行かれたらぜひどうぞ。

 
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2008年2月4日(月)

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