「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第420
三越本店の穴場スポット

比較的ひんぱんに出入りする百貨店は
日本橋の三越と高島屋。
ほとんどの場合は地下の食料品売り場を
徘徊することになるのだが、
たまさか2階のメンズフロアで
シャツやシューズを買い求めることもある。

そのほか、高島屋では地下の「鼎泰豊」で
小籠包子をつまむことがあり、
三越では新館の「ウエスト」でミルクティーを飲む。
ここのハムトーストは好きだ。
銀座の老舗喫茶店「ウエスト」は
リーフパイで有名なのだが
甘党でないJ.C.はついぞ口にしたことがなかった。

それがつい先日、
渋谷のヘアサロンでお茶菓子として登場した。
好奇心から手を出してみると、これが美味しい。
確か、この菓子は林芙美子の気に入りでは
なかったかしらん。
サクッとした歯ざわりのあと、
バターの香りがフワッときて
表面でザラツく砂糖が厄介だが、
それさえ上手く処理すれば、けして悪くない。

お腹があまり空いていないときには
「ウエスト」でじゅうぶんながら、
もうちょっと食べたいときには
同じく気に入りの「カフェウィーン」※に行く。
こちらは本館の2階にある。
もしもこのフロアが婦人服売り場だったら
この店には生涯、入らなかったことだろう。

本格的なオーストリア料理というほどではないにせよ、
手軽な皿の数々は昼食にもってこいだ。
どことなくウィーンのカフェの
雰囲気をたたえた店内の居心地がとてもよく、
テーブル間のゆったりとした距離感がまたありがたい。

品書きにヴィーナ・ファシェルテスとあるのはハンバーグ。
グラァシュというのはハンガリーの
国民的シチューのグーラッシュのことだが、
ここではクリーミーな仕上りとなっている。
シンケンローレはポテトサラダをロースハムで巻いた、
言わばハムポテトサラダ。
これはそのままナイフを入れるよりも
添えられたパンにはさんで
お手製サンドイッチとするのがよい。

カイザーゼンメルと呼ばれるパンが美味しく、
これを1つ余分にもらって
ハムサンドとポテサラサンドを別々に作るのである。
こうすると下手な喫茶店や洋食屋の追随を許さぬほどの
立派なサンドイッチに生まれ変わってくれる。

コーヒーが香り高い。
紅茶はホットにもアールグレイを使う。
ウィーンッ子がアールグレイを好むなんて
聞いたこともないが、これはこれでいいか。
ウィーン名物のザッハー・トルテも
もちろん用意されている。
ただしかなりのサイズにつき、
これを3時のおやつにやっつけたら
晩ごはんが入らなくなると思われる。
何はともあれ、買い物帰りに絶好なのが
この穴場スポット「カフェウィーン」だ。

【本日の店舗紹介】
「カフェ ウィーン」
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/
1010/h_restaurant/cafewien.html

 
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2008年2月11日(月)

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