「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第422回
「エリーゼ」のために行列

「エリーゼ」といってもベートーヴェンではない。
四ッ谷駅前交差点に近いしんみち通りに入って
すぐ右側にある洋食店のことだ。
界隈では若者中心の超人気店。
この通りで行列のできる店はここくらいのものだろう。

しばらくおジャマしていないなぁと思い、
フード・ダイアリーをめくってみると、
2000年の6月の初訪問時に
ミックスフライを食べて感心している。
その半年後の'01年1月には
名物のオムライスにもチャレンジしている。
それほど美味しいとは感じずに
揚げもののほうがオススメかなという印象。

最近、四谷近辺にはちょくちょく出没していて
こういうものは始まりだすと
バイアスがかかり、クセになりやすい。
久々に「キッチン・エリーゼ」を訪れる気になった。
店の近所に勤める友人を誘い出しておいて
総武線の各駅停車に乗り込んだ。

行列はご免こうむりたいと早めに仕掛け、
店に到着したのは11時15分。
ところがすでに10人近くの行列ができている。
こんなに早くから並んでいるのは誤算であった。
11時の開店だから1順目が出てくるまでに
相当時間が掛かりそうだ。

しかもこの日は寒風吹きすさび、
おまけにしんみち通りは100%の日かげで
陽射しを望むことなどハナからムリ。
思わず顔を見合わせる2人だったが
乗り掛かった舟だ、そのまま最後尾に着いた。
何やら木枯らしの中で
いつ来るとも知れぬバスを
停留所で待っているような気分になった。

それでも待つこと15分で無事入店。
相方の旺盛なる食欲に期待して
注文したのはハンバーグ定食と
かきミックスフライ定食に
単品のビーフトマト。

ビーフトマトはオムライスと並ぶ店の二枚看板。
おそらく「吉野家」の牛丼に使われる
ショートプレートという部位だろうか、
トマトと一緒に炒め煮にしたもので
見た目はあまりよくないが、ライスとの相性がよい。

目玉焼きを乗せたハンバーグは
立派なサイズでボリューム満点。
デミグラソースもたっぷり掛かり、
実のある1皿なれど、どこか好みとは異なり、
楽しんで味わうことができなかった。
これも年のせいかもしれない。

かき2粒・海老フライ1本・きすフライ1枚の
かきミックスフライも以前食べた
かきの代わりに蟹クリームコロッケが入る
真性ミックスフライのほうが美味しく感じた。
と言うか、1皿でもガツンとくるこの店の料理を
無理していろいろ頼みすぎなのだ。
若者向けの店でロートルが若ぶるとロクなことはない。

 
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2008年2月13日(水)

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