「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第430
身に降る火の粉は 払わにゃならぬ (その2)

先週の金曜日に引き続き、
友里征耶との競著「グルメバトル」についての
批判にお応えしている。

フェルナン・ポワンに関するJ.C.の記述を
あらためて検証したものの、間違いは認められなかった。
「孫にも衣装」はもちろん「馬子にも衣装」だが
これは恥ずかしながら
校正のときに気付かなかったわれわれのミス。

今日はまずキャヴィア・ヴルーガについてのご説明。
J.C.が出版元のグラフ社に
送った原稿ではキャヴィア・ヴルーガではなく、
キャヴィア・ヴルーガ(ロシア産にしんの卵)とあった。
いわばキャヴィアの模造品に近いものだが
ロシアや北欧あたりではそれなりに珍重されている。

これを編集者がヴルーガの単純な間違いだろうと
気を利かせたつもりで、直しを入れてしまったのだった。
「finalventの日記」でご批判の方を含め、
ヴルーガはみなさんご存知だが
日本人でヴルーガを知る方はほとんど皆無だろう。

にしんの卵は天然の恵みだとしても
加工品なのだから、ネーミングは自由だったハズ。
名付け親には紛らわしさを避けていただきたかった。
セヴルーガをチョウ鮫ではなく、
にしんの卵と言われては
普通の人なら黙っちゃいられません。
もっともこれも校正の段階で見落としたJ.C.の落ち度。
以後、「赤」を入れるときには目を皿のようにして
誤字・脱字をチェックするつもりでいる。

そしてヨーロッパうなぎの養殖問題。
ここ1〜2年はおジャマしていないが
JR神田駅前の「神田 きくかわ」のうなぎは
間違いなくヨーロッパうなぎであった。
体形がずんぐりと丸みを帯びていて
あきらかに日本うなぎとは異なるのである。
味は大味だが、サイズだけは立派。

相当数のヨーロッパうなぎを揃えるには
どこかでまとめて養殖しなければ間に合わない。
愛知県三河の養殖モノと聞いて
はは〜ん、これだなと思った次第。
「ヨーロッパうなぎは試験的にしか養殖されていない」と
友里&J.C.を批判された方には申し訳ないが
これには何かカラクリがある。

宍道湖や三河湾ではかなりの数の
天然ヨーロッパうなぎが捕獲されている。
殊に宍道湖などは総量の3割がヨーロッパうなぎで
そのほとんどが養殖池から逃げ出したものと推測される。
養殖池には多くのヨーロッパうなぎが存在するのである。

スーパーマーケットの蒲焼きはほぼ100%中国からの輸入。
活けうなぎも年間1万トンほど運び込まれているらしい。
活けで仕入れたものを蒲焼きにして
スーパーの店頭に並べても儲けは出ないから
こういううなぎが重箱に収まって
うなぎ屋の食卓に上っているのかもしれない。

読者の方々も割安感のあるうなぎ屋さんで
うな重を注文したら、その蒲焼きをとくとご覧あれ。
ツチノコみたいに丸々と肥えたのは
ヨーロッパうなぎ以外の何者でもござらんから。

 
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2008年2月25日(月)

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