「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第442回
日曜の朝から みんなヨッパライ (その1)

すでにみなさん、ご承知のように
J.C.は酒が好きで毎晩飲まない日はない。
肝臓が一生懸命に働いてくれるせいか、
平均的な人よりも、酒には強いほうだろう。
肝臓には相当の負担を掛けているから
いつなんどき悲鳴を上げられても不思議ではない。
沈黙の臓器と言われているだけに
こちらのほうからいたわるべきなのだが
ついつい飲みすぎてしまう。

1年365日、昼夜を問わず、
食事のほとんどを外食に頼っているわけで
殊にアルコールの入る夕食は
独りで食べることがめったにない。
人と会うと、どうしても酒量が増えてしまうのは
いたし方のないこととあきらめている。

4月になって新年度を迎えたら
それを機会にたまには、例えば週末の夜など
自宅にこもり、自炊を企てようと目論んでいる。
飲酒の量を控え、NHKの大河ドラマに見入ったりもして
野菜や海藻や豆腐が主体の手料理を楽しむのも悪くない。
今度は独り暮らしの男の手料理レシピを
まとめた本でも書いてみようかな・・・。
たぶん売れないな、こりゃ。

酒を愛でるといっても、さすがに朝からは飲まない。
それこそ朝からやったら、オシマイである。
旅空の下では朝食やブランチに
ビールの小瓶を1本つけることはままあるけれど、
最近は東京を離れることもめっきり少なくなった。
それでも暖かくなったら、どこへ行こうかと
ワクワクしながら思いだけはめぐらしている。

とある日曜の朝の11時前。
以前から気になっていた大衆食堂を訪れた。
JR十条駅から徒歩1分の「天将」という名の店だ。
10時〜20時の営業で、中休みが14時半〜16時。
もともと大衆食堂や大衆酒場は好きだから
胸を弾ませて出掛けて行った。

商店街のアーケードにある「天将」は店構えが実にいい。
店先のサンプルケースが
ほのかな照明にボンヤリと浮かび上がり、郷愁をさそう。
驚いたことにこの店は店内にも
サンプルケースが置かれていて、こんなのは初めてだ。
写真入りのメニューでも作成すれば済むことなのに
それではレトロ感に乏しくなってしまう。

店内は相席用の大きなテーブルに
いくつかの空席が認められるものの、ほぼ満席。
そして再び驚いたことに
十数人居合わせた客の全員が酒を飲んでいる。
独りのオジさんも、オジ&オバさんのグループも
誰一人として例外なく、飲んでいるのである。

若い女性の二人組でさえレモンサワーを
お替わりしているのには三たび驚いた。
料理を食べ終えた皿が何枚か置かれているから
開店の10時を過ぎて間もなく来店した様子だ。
彼女たちの横顔や服装を見るともなしに見てしまう。
今どき娘さんの夜勤明けなどなかろうし、
かといって仲のよい友だち同士でも
日曜の朝から大衆食堂で待ち合わせた上、
いきなりのレモンサワーはなかろうぜ。

           =つづく=

 
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2008年3月12日(水)

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