「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第454回
下町の真心こもる三重弁当

本日より新たなる読者プレゼントの
ご応募受付けを開始させていただきます。
本のタイトルは
ぜったい行ってはいけない有名店、
行かなきゃいけない無名店 東京編2
」。
俗称「ドクロ本2」は
2005年秋に出版した第1弾の続編です。
ふるってご応募ください。

末尾の写真をご覧いただければお判りのように
この本の表紙の顔がつい一昨日、
当コラムでも仕方なしに取り上げた
友里征耶氏の似顔絵ではないか!
とご指摘される方が多々おられることと推察します。
表紙の顔と友里氏は非常によく似ておりまして
と言うよりも、ほとんど瓜二つなのですが、
これは他人の空似以外の何ものでもございません。
このことを表紙のモデルさんの名誉のために
あらかじめお断りしておきます。
このモデルさん、なにぶん気難しい御仁でして
「友里と一緒にされるくらいなら、オレは降りる!」
なんて息巻いておられるのですヨ。
その気持ち、実によく理解できますデス、ハイ。

さて本日の主役は鳥料理の「古今」。
江戸を代表する繁華街として栄えた両国橋界隈。
橋の西詰近くに薬研堀不動尊がある。
年末に歳の市が開かれることでも有名だ。
かつては日本各地から運び込まれる米俵を収納する蔵が
堀に面して立ち並んでいた場所である。
積荷の重さで喫水線ギリギリまで沈んだ舟の航行を
可能にするため、薬研の如く深いV字形の堀が
掘られていたというのが、その名前の由来。

この参道にあった鳥料理の「古今」が
こつ然と姿を消したのはいつのことであったろう。
3年ほど前、「ドクロ本第1弾」で
取り上げたときには健在だったから
その翌年あたりだろうか。
残念に思っていたら、それからほどなく
馬喰町に移転しているのをたまたま発見、
ホッと胸をなでおろしたことだった。

庶ミンシュラン」の出版にあたり、
移転後の再チェックのために出掛けてみる。
この店の名代は押しも押されもせぬ三重弁当(1100円)。
深い緑色の、ちょうど「庶ミンシュラン」の
カバーのような色合いの、
小ぶりのお重が三段重ねとなっているお弁当だ。
並外れた充実ぶりを誇るその内容を紹介しよう。

上段 炊き合わせ(椎茸・ふき・竹の子・蓮根)
    かまぼこ 結びわらび 野沢菜 大根味噌漬け
中段 焼き鳥(もも肉) 鳥ささみフライ
    海老フライ 玉子焼き
下段 ごはん
    鳥ささみとエノキの吸い物

これをいただいてしまうと
デパ地下に並ぶ有名日本料理店の高価な弁当など
まったく買う気がしなくなる。
炊き合わせなど江戸っ子好みの濃い目の味付けながら
上手いこと折り詰めにしてデパートで売り出したら
飛ぶように売れること請け合いだ。
下町の真心のこもったすばらしい弁当である。

【本日の店舗紹介】
「古今」
 東京都中央区日本橋馬喰町1-4-11
 03-5642-7575

 
←前回記事へ

2008年3月28日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ