「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第460回
「庶ミシュラン」三つ星の江戸前鮨

浅草のお鮨屋さんといえば、真っ先に挙げられるのが
「弁天山美家古寿司総本店」であろう。
1978年に初めて訪問したおりには
よい意味の強烈な衝撃を受けてしまい、
江戸前鮨に対する概念を大きく覆されたものだった。

その「弁天山」の数軒先に「鮨 よしだ」が
移転してきたのはいつの頃だったろうか。
おそらく6〜7年前のことであったろう。
もっとも以前の店舗もすぐ近所で
馬道の向こう側からこちら側へ
道を横断してきたに過ぎない。

とにもかくにも、こうして両雄が
至近距離に並び立ってしまったワケだ。
庶民のためのミシュランとして著した
庶ミンシュラン」においても
この2軒がともに三つ星に輝くこととなったのである。
こんなに接近したところに2軒の三つ星は奇跡に近い。
何せウェッジをにぎるまでもなく、
パターで転がせる距離なのだから・・・。

「庶ミンシュラン」刊行後、
初めて「鮨 よしだ」を訪れた。
何やら20時から貸切りの宴会が入っているとのこと。
小一時間限定で、独りつけ台に座る。
生ビールをプハ〜ッとやったら
さっそく色鮮やかなかつおを切ってもらう。
屋久島に揚がった上物を
にんにくのスライスとともに味わう。
文句なしに旨い。

芋焼酎に切り替えてもまだかつおに未練が残る。
今度は軽くあぶってもらい、土佐造りでお願いした。
にんにく・生姜・みょうが・大葉と薬味がたっぷり。
これにも大きく舌鼓を打つこととなる。

箸休めにちょいと甘いものが欲しくなり、
すり身と山芋入りの玉子を所望する。
真鱈の白子を甘辛く煮付けたものもいただいた。
何度も書いているから読者の中には
耳タコならぬ目にタコができた方が
おられるやもしれぬが真鱈の白子は
ポン酢で食べるより、煮付けが好きなのだ。

にぎりへ。
最初は天草産の小肌。
やや大きめのそれは脂のノリもかなりのものだ。
そのあとには江戸前のやはり小肌。
こちらは小ぶりながら繊細な旨みが主張して
ほどほどの脂に酢の〆加減が少々強め。
どちらもよいが江戸前のほうが好みであった。

お次は日本海の壱岐に揚がった本まぐろ。
赤身・赤身づけ・カマとろづけの三連発だ。
カマに近いところの赤身はどうしても
多少の水っぽさを感じさせるので
これはづけにしたほうが余計な水分が抜けてよい。

にぎりは小肌とまぐろだけで計5カン。
ここでちょうど時間となりました。
当夜はサクッと食べただけの「鮨 よしだ」だったが
三つ星の実力に見合った力量を満喫できるシアワセよ。


【本日の店舗紹介】
「鮨 よしだ」
 東京都台東区浅草2-1-14
 03-3845-7557

 
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2008年4月7日(月)

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