「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第468回
雀荘に迷い込んでカレーライス

ハンドルをにぎらなくなって丸10年。
ニューヨークから帰国したときに
クルマの運転はすっぱりとあきらめた。
酒飲みがこの国でクルマを持ってはイケナい。
帰国当初は旅先でレンタカーを借りることもあったが
それもめっきり少なくなった。

クラブをにぎらなくなって丸7年。
鎖骨を骨折したのをよい機会と思い、
それからはドライヴィング・レンジにさえ行っていない。
この国ではマイカーがなくともゴルフはできるが
たかだか1ラウンド回るのに
丸一日つぶしてしまうのはもったいなさすぎる。
ほかにやることはいくらでもあるのだ。

牌をにぎらなくなって何年になるかな?
2〜3年といったところかしら・・・。
おかげで右手中指内側の雀ダコも
わずかにその痕跡を残すばかりとなった。
とかくこのゲームは時間が掛かりすぎる。

ニューヨーク時代には
半荘のそのまた半分で区切る東風戦で
卓を囲んだから通常のルールの2倍楽しめた。
就業後のサラリーマンが時間の掛かる東南廻しで
終電まで遊ぶのは時間の無駄遣いもはなはだしい。

神保町の書店めぐりのあと、
ランチタイムは新店でも開拓しようと
九段下方面に向かって歩いていて
小さな看板に目がとまった。
カレーを供する「つかさ」という店のものらしい。
ツラれるように路地を曲がると、そこは雀荘だった。

ここのカレーライスのウリは
「昭和30年代の味 30食限定」ということのようだ。
これも何だか面白い、そのまま階段を降りる。
雀荘に入店するのは実に久しぶりのこと。
ドアを開けて一歩足を踏み入れると
そこそこのスペースの店内に客は男ばかり。
それも40代から50代のオジさんが中心だった。
3人連れと2人連れが1組ずつ。
雀卓に突っ伏して寝ているオジさんが1人。
先客は計6人であった。

接客に当たるのはマダム1人。
カレーを盛付けるのは娘さんだか
アルバイトの女の子だか判然としないが
とにかく2人とも愛想がいい。
福神漬けが添えられたカレーライスは金400円也。
これにコーヒーが付いている。

4人掛け(当たり前だが)の雀卓に1人陣取った。
雀卓クロスがそのままテーブルクロス代わりだ。
ほんの15秒ほどで運ばれたカレーライスは
なかなかのボリュームで
じゃが芋がゴロリゴロリと入っていた。
ほかには玉ねぎとにんじんに混じって
肉の小片もチラリチラリと見え隠れする。
どうやら牛肉の小間切れのようだ。

肝心の味のほうは期待以上のものがあった。
一匙、二匙とスプーンでカレーを口に運ぶうちに
何だか久々に牌をにぎりたくなってきた。
J.C.の青春時代は麻雀とともにあったとは
言わないまでも、浅からぬ縁があったことは確かである。


【本日の店舗紹介】
「雀荘 つかさ」
 東京都千代田区神田神保町2-2神田ビルB1
 03-3230-4706

 
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2008年4月17日(木)

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