「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第470回
初がつおの土佐造り(その2)

JR中央線・中野駅北口の繁華街に
初がつお土佐造りの札を見とめてしまい、
医療関係のセミナーに出席したあとは
その「大将」で一献傾けることに決定。
しかも店頭の品書きには
銀宝の天ぷらまで認められたのだから
うれしいことこの上なく、
よっ、大将!と叫びたくなるほどのものだ。

20時過ぎにおジャマしてみると
立て込んではいるものの、なんとか4人揃って
小上がりに落ち着くことができた。
ホッと一息である。

壁に貼り出された多彩な品札を見上げながら
キリン生中のジョッキを掲げ、一同笑顔で乾杯。
もちろん、生ビールとともに
間髪を入れず、くだんの初がつおの土佐造りと
銀宝の天ぷらは2人前ずつお願いしてある。

「土佐造りにニンニクはどうしますか?」と訊かれ、
「スライスを多めにネ、
 それにおろし生姜もよろしく」と応えると、
「生姜は別にお持ちしますネ」ときた。
そうです、それがありがたいのです。
このお運びさんはいい人だ。

土佐造りは間違いなく合格点。
小ねぎや玉ねぎもその美味しさに一役買っている。
かつおは刺身も悪くないが、
軽くあぶられて香ばしさが生まれるタタキに
よりいっそうの魅力を感じる。
ましてや薬味が豊富な土佐造りは
この青背・赤身のサカナの特性を
もっとも効果的に引き出すのではなかろうか。

少し遅れてやって来た銀宝の天ぷらもよかった。
プリプリの食感が快適にして
穴子とは一味違う滋味にあふれている。
あまり流通しない小魚はこの季節だけのものだが
天ぷらでなければ、箸にも棒にも掛からない。
ちょうど小肌が酢で〆られて初めて
本領を発揮するのと同じことである。

その連想からきたものか、酢〆の小肌を追加した。
ほかには焼き竹の子・里芋煮付け・蟹味噌・
生野菜の盛合わせ、などなど。
この頃にはすでに酒は
芋焼酎の黒霧島のロックに切り替わっている。

こういった大衆割烹や居酒屋で
日本酒を飲む機会がずいぶん減った。
殊に吟醸・大吟醸の類いはほとんど口にしなくなった。
寒い時期におでん屋・そば屋で飲む燗酒は大好きだが
そんな場所でも透明なガラスの
一合瓶に入った菊正宗や櫻正宗が好ましい。
そのままお燗したものをそのまま出されるのがいい。
凝った徳利に移されるよりも美味しく感じる。

一人アタマ4千5百円のお勘定にも満足。
とは言うものの、炭水化物を摂取していないから
ほかの3人はまだ満腹というワケではない。
中野サンモールにある旭川ラーメン「山頭火」に入店。
J.C.は独り界隈を散策して
腹っぺらしの食事が終わるのを待っていたのでした。


【本日の店舗紹介】

「大将」
 東京都中野区中野5-56-15
 03-3388-3711

 
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2008年4月21日(月)

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