「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第476回
仔牛の腎臓にみなギヴアップ

つい先日「吉野家」の倉庫から
米国産牛肉の脊柱が発見されて
世間を騒がしているようだが
今日は北海道産仔牛の内臓を食べたおハナシ。
その内臓は腎臓であった。
業界用語ではその形状からマメとも呼ばれている。
英語ではキドニー、仏語はロニョンだ。
米国産のある豆はその形が腎臓にそっくりなので
キドニー・ビーンズなる名前を付けられているほどだ。

旧知の舞踏家・長嶺ヤス子さんが
歌舞伎座の舞台で演歌を踊るというので東銀座へ。
その夜、集結したのは同期生4人。
みなフラメンコの女王の舞台はすでに何度も観ている。
その模様は当コラムでも何回か紹介したので
ここでは多くを語らない。

21時に舞台がハネてからの遅めのディナーは
あらかじめ予約してある「カーヴ・ド・ヴィーニュ」。
歌舞伎座からは徒歩1分とかからない。
ある日突然、閉業したそば店「宮城野」の隣りの
地下にあるワインバー風ビストロは
このほど移転の決まったフレンチの名店、
「マノアール・ダスティン」のディフュージョン。
われわれのほかにも歌舞伎座から
流れてきた客でほぼ満席の盛況ぶりだった。

まずは喉を潤そうとビールをお願いすると
銘柄は苦手なエビスの小瓶のみ。
しかも3本しか残っていないという。
ほかに選択肢はないからここは一応、
オール・マイン(全買い)を仕掛けておく。

注文したワインはすべて赤のピノ・ノワールが3本。
メオ・カミュゼのブルゴーニュ'03年。
シャルル・コーリィのキュヴェ・デ・ゾスピス・
ストラスブール’97年。
そしてエルベジョのシャンボル・ミュジニー・
プルミエ・クリュ'00年。
コーリィの枯れ具合に期待したが、やや肩透かし気味。
もっとも7800円の値付けでは文句は言えない。
シャンボル・ミュジニーは一級畑の水準をクリアしている。

それにしても21時すぎの
遅いスタートだというのに、みなよく飲むこと。
とは言っても、おそらくそのうちの丸々1本は
J.C.が飲んでしまったかもしれない。
それでもなお、割り勘ってぇのが同期のいいところだ。

いただいた料理の内容は下記の通り。
 ・鶏白レバーと豚セルヴェル(脳みそ)のパテ
 ・サラド・ヴェール(グリーンサラダ)
 ・ホワイトアスパラのバヴァロワ
 ・リードヴォーと牛アキレス腱のグラタン
 ・ホロホロ鶏のロースト
 ・仔牛の腎臓のロースト

内臓好きのオーナー、I嵐シェフの面目躍如ながら
評判がよかったのはオーソドックスなホロホロ鶏で
J.C.以外の3人が揃ってサジを投げたのはロニョン。
もっともサイズ的には仔牛の域を超えていた。
したがって臭みも相当なものだった。
腎臓を食べるたびに思うが、この小便臭さは何だろう。
腎臓が小便臭いのか? 小便が腎臓の匂いなのか?
事態は鶏卵論争の様相を呈してくるのだった。


【本日の店舗紹介】
「カーヴ・ド・ヴィーニュ」
 東京都中央区銀座4-13-15成和銀座ビルB1
 03-3549-6181

 
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2008年4月29日(火)

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