「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第489回
ハムサンドとカツサンド

ランチメイトの金ピカ先生と
小岩の洋食店「とんまつ」へ。
愛妻との約束を守って断酒を続ける彼とは
必然的に昼めし中心の会食を重ねることとなる。
1年前に脳梗塞で倒れて以来、節制に節制を重ね、
アルコールだけでなく、食事のカロリー摂取にも
気を配って努力する姿が涙ぐましい。

そんな金ピカ先生が注文したのはハムサンド。
以前、女優の国生さゆりがこの店のカツサンドを
推奨しているのを何かの本で見たものだから
サンドイッチをつき合ってもよかったのだが
この日はハンバーグライスと心に決めていた。
その代わり、くだんのカツサンドは
テイクアウトするつもりなのだ。

洋食屋に入ってサンドイッチを
注文することはまずない。
トースト・サンドイッチ・ホットドッグの類いを
朝食・ブランチ以外で食べることはまれだ。
いつぞや、金ピカ先生と一緒に
浅草の喫茶店「ハトヤ」に出掛けたことがある。
永井荷風も通ったという古い店は
金ピカから借りた西村京太郎の推理小説、
「偏奇館殺人事件」にも実名でたびたび登場する。

その本を読了した金ピカは
「ハトヤ」に行きたくてしょうがなかったらしい。
ところが最近の「ハトヤ」は
昼過ぎには店を閉めてしまうようで
そのときもすでに閉店しており、
仕方なく新仲見世の「ブラジル」に廻ったことだった。
こういう場所だとサンドイッチを
つまみんでもいいな、という気になったりするが、
J.C.が喫茶店に入ること自体、きわめて少ない。

最初に運ばれたハムサンドにびっくり。
喫茶店のハムの3倍はあろうかという厚切りだ。
これが6切れで550円とは大盤振る舞いではないか。
1切れもらってパクリとやると
シンプルなロースハムのうまみがジワッときた。
うん、この店は良心的な店だ。

目玉焼きの乗ったハンバーグもなかなかによかった。
普段は生ビールの中ジョッキあたりがほしくなるが
この日は珍しくも二日酔い気味。
相手が断酒中の金ピカということもあり、
飲む気にもなれず、お皿のライスとともにいただく。

おみやげの、といっても自分自身へのおみやげだが
カツサンドを当夜のビールのつまみとする。
ヒレカツ使用の柔らかいカツサンドが
人気を集める今日この頃、
「とんまつ」のそれはロースカツがガツンとくるもの。
ボリュームあって完食すると、ほかのものが入らない。
残りは知り合いの店に立ち寄って差し入れとした。

様々なサンドイッチがある中で
ハムサンドとカツサンドは大好きだ。
タマゴもいいし、きゅうりやトマトもうまい。
唯一嫌いなのはパーラーで見かけるフルーツサンド。
食わず嫌いのそしりを免れないかもしれぬが
あれは食事としてのサンドイッチではなく、
おやつとしてのショートケーキみたいなものだ。
どうしてもなじめない。


【本日の店舗紹介】
「とんまつ」
 東京都江戸川区南小岩7-13-9
 03-3673-3850

 
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2008年5月16日(金)

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