「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第488回
J.C.も歩けば 意外な店に当たる

最近、散歩をしていて
「おや、こんなところに、あの店が!」
立て続けに3回もそんな経験をした。
要するに訪れたことのある名店の
縁戚筋だか、暖簾分けだかの同名店に
思いもよらぬ場所で遭遇したというわけだ。

意外な出会いに虚をつかれ、
しばし店先にたたずんで様子をうかがうものの、
実際に入店はしていない。
それでも何かの参考になればと思い、記してみる。

4月末の土曜日のこと。
板橋は北園高校の裏手にある中国家庭料理店、
「栄児(ロンアール)」で名代の担々麺を食べたあと、
曇天下を東武東上線・大山駅方面に向かって歩く。
踏み切りを渡り、商店街を抜けて川越街道に達すると、
看板に見覚えのある餃子屋が一軒。
浅草は千束通りの「末ッ子」ではないか!
浅草を食べる」143頁、「下町を食べる」175頁
西葛西に支店があると聞き及んではいたが
まさか大山にもあったとは!
浅草本店は夕方から深夜にかけての営業だが
この地では一体どうなのだろう。

その翌日のこと。
北千住のランドマーク的洋食店、
「ニューあわや」(480481回参照)にてカツカレー。
食後、旧赤線地帯を歩んだのち、
尾竹橋を渡り、町屋の駅前に差し掛かると
左手に「三忠」なる日本料理店が現れた。
うなぎ・天ぷらを始め、総合和食を扱う店だ。

店名から千駄木は団子坂の「三忠」を連想したが
古き良き東京を食べる」160頁
あちらはタコ料理専門店で、供する料理が異なる。
ところが店頭のサンプルケースに
お好み焼きならぬ、たこのみ焼きを発見する。
オマケにたこめしまであるではないか!
どちらも「団子坂」の名物料理で
ことここに至り、両店の浅からぬ関わりに気がついた。
ただただそれだけのハナシで
訪問する予定があるわけでもない。

二度あることは三度あった。
大型連休が明けた日曜日の雨上がりの昼下がり。
大井町「オリガノ」で日本式ピザを食べたあと、
「大井三ツ又 吉田家」でせいろをいただき、
池上通りを歩き始めて、古風なうなぎ屋に出会った。
歴史を感じさせる重厚な看板に「かねまん」とある。
「かねまん」と聞けば、人形町もさることながら
浅草は観音裏のふぐの名店を思い出すのが自然な反応だ。
下町を食べる」166頁

大井町三ツ又の「かねまん」はふぐもやるが
むしろうなぎと天ぷらが売れ筋のようだ。
白地に黒く染め抜いた暖簾も見るからに垢抜けて
美味しいものを食べさせてくれそうな気配が漂う。
お昼のサービスうな丼は1200円の由、
これなら近々訪れてもいいなと思いつつ、
大森にある都内でもっともレトロなデパート、
ダイシン百貨店へ向かうJ.C.であった。
何と言っても時が止まったような
ファミリー食堂の閉業が残念。
それでも生き残ったファミリーレストランで
生ビールでも1杯やろうという腹積もりなのである。

 
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2008年5月15日(木)

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