「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第495回
ランチはオール500円

あれはいつのことだったろう。
田端・西日暮里と歩き続け、
日暮里駅前を通り過ぎて間もなく、
「おもひで定食」なる食堂と出会う。
正岡子規や夏目漱石がひいきにした
羽二重団子の数十メートル手前だ。

入り口に貼り出された品書きにビックリ。
何とランチはすべて500円均一とある。
店構えもどこかほのぼのとしていて
これは近々来る価値があるかな、という印象を持つ。

三社祭の二日目は大祭である。
昼食後、浅草名画座で「人生劇場 飛車角」と
「雲の上団五郎一座」を観るつもりだ。
前日は橋場の「山海」で昼食を取ったので
この日は浅草界隈を離れて食べたい気持ち。
そこで思い出したのが「おもひで定食」。
「定食」をそのまま屋号に使う店は珍しい。
ほかには見たことも聞いたこともない。
したがって実際に訪れるまでは
「おもひで食堂」と間違えて覚えていた。

11時40分に入店。
数席のカウンターと小上がりに2卓の店内。
何とか座れて品書きのボードを目で追う。
突然「鳥の唐揚げ定食は売り切れました」
――元気なオバさんの声でわれに返る。
厨房にはオジさんがいて
夫婦二人きりの切り盛りと見受けた。
それならばと、豚バラ生姜焼き定食をお願い。

あとから入ってきた二人連れが生姜焼きを注文。
再びオバさんが売り切れを宣言する。
ときに11時50分でいまだ正午前だ。
5〜6種類しかないランチメニューのうち、
早くも2品が欠品となると、
どうやらこの店の定食は
それぞれ数食分の用意しかないようだ。

皿の上にはそこそこの厚さの豚バラが3枚。
おかずとしてのボリュームはじゅうぶんにある。
あとは油揚げとわかめの味噌汁にたくあんとごはん。
ごはんがややヤワいものの
ワンコインでこの内容なら立派。
遠くから電車賃を使ってまで行くほどではないが
多少歩いても給料日前にはありがたい店だ。

根岸・入谷・千束を経由して
昨日に引き続き浅草へ。
喜劇映画と任侠映画は期待に応えてくれた。
ところがイレモノの映画館がイケナかった。
驚くなかれ、足元をネズミが走り回っている。
それも5回や6回ではなく、20回は目撃した。
季節はずれの運動会もいいところで
これではおちおち映画を楽しんでいられやしない。
劇場側はすみやかに駆除すべし。
それが済むまで女性は絶対に行ってはいけない。
牧伸二ではないが
♪ あ〜あぁあ〜、やんな〜っちゃった!
     あ〜あ〜あ〜あ〜、おどろいた! ♪


【本日の店舗紹介】
「おもひで定食」
 東京都荒川区東日暮里5-49-6
 03-3805-9280

 
←前回記事へ

2008年5月26日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ