「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第503回
どんぶりに山盛りの野菜炒め(その2)

上中里駅から徒歩1分の「百亀楼」に来ている。
テーブルに相席となった親子連れが
注文した野菜炒めに目が釘付けになっている。
口には出さず、胸の中で叫んでいた。
「何じゃ、こりゃあ!」
大盛りラーメンでも入れようかというどんぶりに
野菜たちが山盛りになっていたのである。
どこの中華料理屋が野菜炒めを皿ではなく、
どんぶりで出すというのだ。

野菜炒めに対する親子の対処ぶりが気になって
目で追う新聞の文字が頭に入っていかない。
すると今度はワンタンメンが登場して
これはお母さんがどんぶりを抱えて食べ始める。
これがヤケにおいしそうだ。
ビールを飲んでいるお父さんと
ライスを食べている幼い息子は野菜炒めと格闘中。

何だかヨソの一家が食事中の卓袱台(ちゃぶだい)に
自分が紛れ込んでしまったような疎外感すら感じる。
ところが世の中、よくしたもので
たまたま隣りのテーブルが空き、
一家はどんぶりごと移って行ったのだった。
J.C.が動けばよさそうなものだが
右隣りと前方を一家3人に包囲されていては
そう簡単に物事が運ばないのである。

民族大移動のあとはまさしく台風一過。
冷めて残った最後の餃子をパクッとやり、
黒甕を飲み干してお勘定。
ガラガラの京浜東北線の車中で考えた。
ビールと餃子で済ますわけには行かないぞ!
近いうちに再訪せねば!

12日後、大食い野郎をともなったJ.C.の姿を
再び「百亀楼」で見ることができた。
書き忘れたが、この店は量が多いだけではなく、
値段がまた安いのである。
くだんの野菜炒めは440円なのだった。
これにライスと味噌汁が付くと650円だ。

ビールで乾杯しながら
最初に注文したのは野菜うま煮(580円)。
いきなり野菜炒めでもよかったが
あのボリュームでは
ほかに何も食べられないおそれがある。
相方の大食いクンだってあれを見たら
戦意喪失しかねないのである。
野菜うま煮は八宝菜から
魚介系を抜いた感じで味付けがとてもよい。

続いては前回見ておいしそうだった
ワンタンメンにいきたかったのだが
ボリューム的に自重してラーメン(470円)を。
薄い色合いのスープは塩と醤油の中間といったふう。
細打ちちぢれ麺の適度な粉々感は大好きなタイプ。
ちょうど数日前に訪れた釧路のラーメンに似ている。

締めはむろん野菜炒めだ。
相方のために定食仕立てとした。
さすがのヤッコさんも
どんぶり入りのテンコ盛りには言葉を失っている。
J.C.も助太刀に入ると、
ややっ、ずいぶんと旨いでないの!
テイスト、ボリューム、プライスと
三拍子揃った「百亀楼」に拍手喝采!


【本日の店舗紹介】
「百亀楼」
 東京都北区上中里1丁目47-34
 03-3917-6184

 
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2008年6月5日(木)

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