「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第517回
「おとなの週末」の下町特集(その1)

ただ今発売中の「おとなの週末」7月号は
下町特集で鮨・天ぷら・うなぎ・洋食などの店が
数軒ずつ紹介されている。
パラパラとめくってみよう。

鮨店のにぎりに限っては浅草「紀文寿司」がよい。
誌上でのおすすめ度も五つ星になっている。
2310円の並にぎりは、赤身2・かんぱち・小肌・
すみいか・穴子・玉子の計7カンで巻きものはナシ。
下町らしい大ぶりのにぎりだ。
若き五代目もようやく職人らしい面立ちになってきた。

同じく五つ星の人形町「喜寿司」は好きな店だが
割高にしてバランスがあまりよくない。
赤身・真あじ・平政・すみいか・たこ・
玉子2カン・かっぱ巻き6切れで2625円。
すり身玉子におぼろをカマせるのは大賛成だが
玉子は1カンでよいし、かっぱも6切れは多い。
何だか割安な種ばかりを集めて老舗としては
チープというか、シャビーというか、
あざといとまでいったら叱られるだろうなぁ。

勝どき「さヽ木」も五つ星は大甘だろう。
2850円で、赤身・かつお・真あじ・しまあじ・
まこがれい昆布〆・さより昆布〆・小肌と
7カンのにぎりの顔ぶれは圧巻でも
3切れの玉子は目ざわりだし、
6切れの穴きゅう巻きもやり過ぎだ。

洋食部門の「新川津々井」(五つ星)と
「深川煉瓦亭」(四つ星)は気に入り店につき、
異論をさしはさむつもりはない。
洋食ではわが街・柳橋「大吉」(四つ星)の
岩中豚が紹介されている。
月に1度ほど顔を出していても
岩中ロースカツはポーションが大きく、
2〜3人前はあるので食べる機会がなかった。
トンテキなら何とかなるのではと
先週さっそく挑戦してみると
熱い鉄板の上の豚ロースはけっこうな大きさだ。
肉自体に不満はないのだが
付合せ3点セットがちょいと淋しい。
にんじんとじゃが芋はいいでしょう。
でも青味のピーマンには違和感がある。
いんげん・絹さや・ほうれん草あたりが王道で
ピーマンを使う店はほとんどあるまい。
まっ、好きな野菜だからよしとする。

順序が逆になってしまったスモークサーモンは
焼酎の合いの手にお願いしたのだった。
これが予想外のおいしさで
ルイベ(正しくはルイペ)状の半解凍で登場し、
新玉ねぎのスライスとケッパーとレモンでやる。
サーモンに掛けたドレッシングはなくてもいいかな。

「おとなの週末」でも触れられていたが
「大吉」は洋食居酒屋の側面を持っていて
夜には中年から初老のお父さんグループが目立つ。
気の利いたそば居酒屋のない土地柄では
洋食屋にすがるほかにすべはないが
連夜のとんかつでは
お父さんたちのメタボが心配で気にかかる。

             =つづく=

 
←前回記事へ

2008年6月25日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ