「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第521回
「かどわき」に友里征耶の亡霊が!(その2)

麻布十番の「かどわき」で舌鼓を打っていた。
そこで突然、まぶたに浮かんだのが
わがドクロ本の表紙、じゃなかった
あのドクロに似た友里征耶のとぼけた顔だった。
その瞬間、食事が劇的にまずくなる

おぞましきあの顔を
必死に打ち消そうとすればするほど、
逆に顔がふくらみ上がってデッカくなるばかり。
哀れJ.C.ぬかるみどころか
底なし沼にハマッたかのようだ。

ドクロは、もとい、
友里はここのところずっと、
ミシュラン東京の検証に没頭していて
限りなく惰食をむさぼっている。
つい最近も東麻布の中国料理店「富麗華」で
6コースあるうち、最も高い33600円のコースを食べ、
その内容や接客に憤慨しながらも
「わーい、ボクちゃん一番高いの食べたんだモンね」と
心の中で大きく叫んでいた。
たとえ心の中でもあんなに大きく叫べば、
読者には伝わるものなのだ。
まったくもって、自慢を隠せぬ男なのである。

正直に接待だったと告白はしているものの、
一体全体、何を考えているのかね。
人間には節操が大切なのになぁ。
楽天の野村監督の一言じゃないが
「バッカじゃなかろか!」――なのである。

気を取り直して「かどわき」でのセカンドハーフも中盤。
ここで金目鯛のしゃぶしゃぶが登場。
金目というサカナはどんなに新鮮なものでも
刺身で食べるより煮付けのほうがうまいが
サッとあぶるか、しゃぶしゃぶにすると本領を発揮する。
昔かたぎの職人さんはけしてやらないが
ここ数年は鮨屋でも金目の皮目だけをあぶって
にぎってくる店が少なくない。

「かどわき」の金目のしゃぶしゃぶは
つけダレにまたまた花山椒がたっぷり。
熱湯に3〜4回くぐらせたら
タレに軽くひたしてすかさず口元へ。
こういう食べ方をすると
金目・ふぐ・はもがサカナのベストスリーだ。

いよいよ締めの食事。
みなさんお待ちかねの逸品は
すでに店の名物となったトリュフの炊き込みごはん。
季節がら使用されたのは夏トリュフ。
元シブがき隊のモックンもこれが
大好物だと何かに書いていたけれど、
彼が食べた炊き込みごはんは
かつお出汁の塩味だったという。

われわれがいただいたのはバター醤油味。
これだと子どもの頃に誰もが一度は
試したことがあるバター醤油ごはんと同じ味で
トリュフがなくてもじゅうぶんにイケてしまう。
小ぶりの茶碗に控えめに盛られたトリュフごはんは
はたしてお替わり必至の花丸ジルシ。
白トリュフのリゾットに
匹敵するほどのきのこごはんだった。
それにしても最近のバター不足はどうしたことだ。
バターはどこへ消えた?


【本日の店舗紹介】
「かどわき」
 東京都港区麻布十番2-7-2
 03-5772-2553

 
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2008年7月1日(火)

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