「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第522回
五つ星のとんかつ屋

先週お送りした「おとなの週末」下町特集の検証。
その際にふれたとんかつ店が両国の「むさしや」だ。
この店のおすすめ度・五つ星は甘すぎると書いた。
ロースカツに脂身を残しすぎてクドいとも書いた。
「おと週」発売後の盛況ぶりがいかばかりか、
その偵察を兼ねて出掛ける。

自宅からは歩いても15分ほどの距離。
行く道筋は二通りある。
その一は、家を出て北に向かい、蔵前橋を渡って
大相撲でおなじみの国技館の脇を抜けてゆく。
その二は、逆に南に下って柳橋と両国橋を渡り、
鼠小僧のねむる回向院の前を通ってゆく。
その二でいった。
梅雨の合間のことで
隅田川の川面に反射する光が目に痛い。

11時半ちょうどに「むさしや」に到着。
遠くから暖簾をくぐる男性客の姿が見えた。
あとを追うように入店すると
開店直後とあって客はわれわれ2人のみ。
入口に一番近い、キャッシャーの隣りの
テーブルに先ほどの客が座っている。
すると驚いたことに接客の女性から
そのテーブルでの相席を指示されたのである。

立て込んでからの相席は承知の上だが
ほかには誰もいないガランとした店内の
しかも入口の前に単身の男が2人というのもねぇ。
「おと週」のおかげで混雑するのを
見切ってのことだとは思うが
鶏舎のブロイラーじゃないんだから
これでは食事をする気にはとてもなれない。
彼女に断りを入れて奥のテーブルに進む。
コワい顔をしていたのだろうか、
彼女は少々、ビビッたみたい。ごめんなさいネ。

ランチメニューを紹介すると、
定食がロースかつ・ひれかつ・盛合わせ・
豚とろで1000円均一。
ほかにはかつカレー1000円や
限定豚とろ丼1000円なんてのがある。
盛合わせはコロッケとイカフライに
ロースorひれの3品盛り。
「おと週」の検証につき、
当然のようにロースかつ定食を注文する。

そこそこの厚みを持った横長のロースは
カリッとした揚げ上がり。
厨房の二番手のお兄さんが運んでくれたが
その際に、わさびと塩で食べるようにすすめられた。
見れば、かつの脇に辛子とわさびが添えられている。
見るからにニセわさびなので、
それは使わずに塩・辛子・生醤油・ソース、
それに別皿のおろしポン酢でいただいた。

三元豚のロースはうまみじゅうぶん。
それでもやはり脂身の比率が高すぎる。
脂身好きが持てあますほどだから
嫌いな人は1切れでギヴアップだろう。
なめこと三つ葉の味噌汁はよいけれど、
どういうわけか、ごはんがビックリするほど固い。
新香はキャベツもみで、これが何とも味気ない。
とんかつ屋でよく見られるパターンだが
千切りキャベツを山ほど食べるのだから
キャベツ責めは苦痛だし、箸休めにもなりゃしない。
安直なやっつけシゴトに見えてしまうのもマイナスだ。


【本日の店舗紹介】
「むさしや」
 東京都墨田区両国3-24-1
 03-5625-2929

 
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2008年7月2日(水)

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