「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第523回
スペイン万歳!

遅ればせながら、ヴィヴァ・エスパーニャ!
いや、いや、スペインのサッカーはすばらしかったですね。
「サッカーとは最後にドイツが勝つスポーツである」
――ゲーリー・リネカーも真っ青でしょう。

そうです、スペインは生まれ変わったのです。
というか、近代サッカーが生まれ変わったのだと思う。
ドイツの神話はついに崩れ去ったと言っていい。
長身の大男を軒並み揃えて
ハイボールに固執するスポーツはサッカーではない。
あれはバレーボールやバスケットの世界だ。
ドイツのサッカーの醜悪さには目を覆うばかり。
緑のピッチの上にモンスターはいらない。
あのスタイルが欧州を席巻し、
世界を制覇したら間違いなくサッカーは滅びる。

ファイナルを見ていて一瞬、
W杯の決勝戦をドイツとアルゼンチンが
戦っているような錯覚を覚えた。
そして過去のW杯における2つの戦いを思い出す。

まずは1974年ドイツ大会。
ドイツvsオランダのファイナルだ。
スタイルは若干異なるが今回のスペインは
ヨハン・クライフが率いたあのオランダに似ている。
そのときのドイツはベッケンバウアーはともかく、
ミュラーもブライトナーもフォクツも
攻守の要(かなめ)は揃いも揃ってむしろ小柄。
今回のモンスター軍団とは似ても似つかない
魅力的な軍団だった。

そして1994年アメリカ大会。
予選リーグではあったがドイツvs韓国。
猛暑の中、セカンドハーフに入り、
完全にバテて足の止まったドイツは
タフネスを誇る韓国の猛追に青息吐息、
辛くも逃げ切ったのだった。

今回もまったくあのときと同じで
ドイツらしかったのはホイッスル直後の10分のみ。
後半の後半は、ありゃ一体何だべさ!
まなじりを決して攻め上がるべきときに
ガス欠のロボットのごとく、束になって右往左往。
時間稼ぎなどこれっぽっちもアタマにない
偉大なスペインの引き立て役に回るだけだった。

今大会のスペインは
史上最強といわれる‘70年のブラジル、
決勝で敗れはしたが‘74年のオランダと並んで
サッカー史上、三本の指に入るチームだろう。
'66年イングランド、‘78年アルゼンチン、
’98年フランスのように
ホームで優勝したチームはアテにならないからね。

ハナシは突然、JR中央線の中野に飛ぶ。
サッカーの話題に終始していては
「食べる歓び」につながらないからだ。
故あって中野に集結した飲み仲間のK石、N濱の両クンと
日本の中の東南アジア、中野ブロードウェイ内の
天ぷら店「住友」で飲んだあと、「中野ブリック」に流れた。

デンマークビールのツボルグを飲みながら
メニューを開くと、目に飛び込んできたのが
スペイン風オムレツ、いわゆるトルティーヤだ。
優勝したスペインとの連想が働き、即注文。
本場スペインとは違い、トマトが入っている。
おかげでジューシーには仕上がった。
せっかくだからスペイン産のシェリーで乾杯と
いきたいところながら、その日は汗ばむ陽気、
結局はビールを飲むことになってしまう。
それにしても中野の「ブリック」は庶民的に
ノスタルジックで、とてもいいバーですよ。


【本日の店舗紹介】
「中野BRICK」
 東京都中野区中野5-61-3
 03-3388-1263

 
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2008年7月3日(木)

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