「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第533
恐怖の鴨汁せいろ(その2)

江戸川区・江戸川は町の東側を
旧江戸川が流れている。
ちょうど新中川との合流点にあたり、
寅さんシリーズでおなじみとなった
江戸川上流ののどかな風景とは様変わり。
無粋なコンクリートの堤防が
川の両サイドにその姿をあらわにして
風情もへったくれもあったものではない。

その江戸川の町で地元の人気を集める
「手打そば 矢打」の店内に座り、
順番が来るのを待っている。
10分少々待っただろうか、奥のテーブル、
いわゆる一番客が食べ終えた卓が空き、
一緒に待っていたご夫婦と相席となった。
6人掛けを3人で分け合ったのでゆったり。

ご夫婦の注文が終わってから品書きに目を通す。
何も耳がダンボになっていたわけでもなく、
自然に耳に飛び込んできた彼らの注文は
鴨汁せいろの並が2人前に
揚げもちが2つと揚げちくわが1人前。
品書きにはこうあった。

自家製麺手打そば・うどん
 鴨汁せいろ・おろしそば・とろろそば
  大1365円 中1260円 並1155円
 大もりせいろ735円 もりせいろ630円
 鴨南1260円 揚げもち1155円
 なめこ945円 玉子とじ945円
  (そば・うどん大盛り210円増し)

 
ここはおとなしく鴨汁そばの並をお願い。
それにしても鴨南や玉子とじなど、
温モノのそばを注文する客は皆無。
うどんを頼む客もまったくいない。
たまに、もり・おろし・とろろの声を聞くが
これはいったいどうしたことだろう。

そうこうするうち、ご夫婦の注文品が到着した。
並でもけっこうなボリュームだ。
驚いたのは揚げちくわで、ブットいのが4本、
コロモをいっぱい身にまとっている。
見ているだけで胸ヤケしそうだ。
J.C.の無遠慮な視線に気づいたのか
ダンナのほうがチラリとこちらを見て
テレたような笑いを口元に浮かべた。
ちくわに比べると、揚げもちはずっと可愛い。

あとを追うようにJ.C.の鴨汁せいろが運ばれた。
いやぁ、けっこうなコシの太打ちだこと。
これはもりやおろしなど
冷たいつゆではどうにもなりませんな。
熱い鴨汁にくぐらせてこそ、多少ヤワいでくれるが
さもないと固くて固くて、アゴが疲れてしまう。
周りを見ると、みんな噛んでる、噛んでる、
モグモグ、モグモグと、実験室のモルモットみたい。
ここのそばは噛まないとカラダに毒だ。

胸肉のように上等な部位ではなく、
もも肉だろうが、鴨汁には鴨肉がたっぷり。
後半戦は鴨汁を熱いそば湯で割っておき、
残りのそばをブチ込んでから七色を振り、
手造りの鴨南蛮にして完食したのでした。
ウップ(失礼!)、満腹、満腹、大満腹。


【本日の店舗紹介】
「手打そば 矢打」
 江戸川区江戸川5-23-39
 03-3687-2293

 
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2008年7月17日(木)

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