「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第539回
三越本店にもの申す(その1)

次作「J.C.オカザワの昼めしを食べる」の
締め切りが目前に迫っている。
東京のベストランチ200を選抜し、
あと一歩の50品と合わせ、
計250品の昼めしを紹介するものだ。
ただ今、最後の追い込みの真っ只中で
再チェックのために
訪問の要のある店舗はあと3軒が残るのみ。

残り4軒だったうちの1軒、
日本橋の三越本店内のオーストリアン・カフェ、
「カフェウィーン」に昨夜赴いた。
3年前に上梓した「下町を食べる」では
名店二百選に収録した佳店である。

今回もベストランチの1品として
ヴィーナ・ファシェルテスを予定していた。
ウィーン風ハンバーグステーキのことである。
その結果を発表する前に
前述の「下町を食べる」における
この店の論評を転載してみたい。

オーストリアの首都ウィーンでの楽しみは
オペラとカフェとホイリゲではなかろうか。
殊にカフェはヨーロッパ最古の歴史を誇り、
地元市民も観光客もメランジェ(ウィンナコーヒー)と
ザッハートルテのお世話にならぬ者はいないだろう。
東京のど真ん中の三越本店で本場の味を
楽しめるのだからシアワセなことだ。
地下の「ハロッズ」よりもこちらを推したい。

そしてこの店の魅力は下ごしらえも丁寧なウィーン料理。
午後のティータイムはマダムたちが列をなすのに、
ランチタイムは意外にも空いていることが多い。
パンorライス付きのメインディッシュに
小サラダと飲みもののウィーン・セット(1575円)、
ケーキの加わるザルツブルグ・セット(1890円)が
ポピュラーで、とある日のメインは
ソーセージ入りのポトフと、
ヴィーナ・ファシェルテスと呼ばれるハンバーグ。
カイザーゼンメルという芥子の実パンが抜群のおいしさ。
さすがにウィーンのもう一つの顔はパンの都であった。
ぜひ、一食をおすすめする。

牛もも肉をコクのあるクリーミィなソースで
仕上げたグラァシュ(1995円)、
ポテトサラダをハムで巻いたシンケンローレ(945円)、
きのこクリームのソースをかけ回した
アマデュース・トースト(1680円)も気に入っている。

とまあ、こんな具合。
最後の訪問は今年の1月だが
そのときはシンケンローレ(上記参照)を食べた。
おいしい料理だが、女性ならともかく、
男性のランチにはやや軽すぎのきらいがある。
そこでベスト200候補のハンバーグを
再審査しようという腹積もりだったのだ。

ところがである。
このハンバーグがである。
意外にも・・・・・・なのであった。

          =つづく=

 
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2008年7月25日(金)

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