第541回
納豆がフランス料理に登場(1)
銀座コリドー街の「ル・シズィエム・サンス」は
ミシュランガイド東京の一つ星獲得店。
シェフのコルビさんは大阪―東京を行ったり来たりだが
東京には鈴木シェフが常駐している。
訪れると必ず新しい発見があるので
2ヶ月に1度ほどの割合で顔を出す。
先夜はただ今活躍中のフードアナリストの方々と会食。
石原都知事の誕生日ディナーが
催されたという地下のVIPルームに総勢6名が参集した。
牢屋でメシを食ったみたいと、
知事が口をすべらせて幹事の良純クンを
クサらせたといういわくつきのこの部屋には
ワインセラーが併設されており、
1晩に1組だけ予約を受け付ける。
当夜のMenu(ムニュ)はこのようなものだった。
=アミューズ=
カリフラワーのムース・甲殻類のジュレとキャヴィア添え
=オードヴル=
フォワグラと穴子のマーブル仕立て・古々味醂の香り
=スープ=
トマトの冷製スープ
フロマージュブラン&白胡麻のソルベ
=ポワソン=
◎いさきの網焼き・赤ピーマンのソース
いわしと挽き割り納豆のタルタル添え
=ヴィアンド=
◎シャラン産鴨胸肉のほうれん草包み焼き
にんにくの芽のベニエ添え
=デセール=
ぶどうのシブースト
サフラン&ラムレーズンのグラッス添え
=デュ・パン=
3種類のパンと2種類(無塩・有塩)のエシレバター
◎が当夜の特筆すべきディッシュである。
さわやかなアミューズで始まった。
キャヴィアが乗っていれば取り合えずうれしい。
甲殻類の出汁の出たジュレにコクがある。
オードヴルのマーブル仕立ては
古々味醂の風味に独特のものがあった。
フォワグラと抜群の相性を見せる甘口白ワインの
ソーテルヌを意識しつつ、
あえて味醂を使ったシェフの意図が伝わってくる。
ただし穴子とのコンビネーションは
ベストマッチというわけにはいかずに
穴子がジャマをしていたような気がする。
スープはすっきり食材のトマトと
こってり食材の白胡麻の取り合わせが新鮮。
フロマージュがブレンドされているソルベを
スープに溶かしながらいただく。
と、ここまで綴ってきて
飲みものにまったくふれていないことに気が付いた。
料理ともども、それはまた明日。
=つづく=
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