「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第542回
納豆がフランス料理に登場(2)

銀座のミシュラン一つ星、
「ル・シズィエム・サンス」の地下にいる。
映画「東京タワー」で
黒木瞳と岡田准一が食事をともにした食卓だ。

鈴木シェフ自慢のコースは
トマトの冷製スープが終わったところ。
ここで一休みして当夜の飲みものの紹介。

泡・・・ロベール・ピエレル・ブリュット・ロゼ
             (シャンパーニュ)

白・・・モレ・サン・ドニ・ブラン’02 ボーモン
             (ブルゴーニュ)

赤・・・シャンベルタン・グラン・クリュ’98
    モメサン     (ブルゴーニュ)

    ニュイ・サン・ジョルジュ・
    プルミエ・クリュ’89 オ・ボンド
              (ブルゴーニュ)

食後酒・カルヴァドス・ペイ・ドージュ
     クリスティアン・ドルーアン

珍しいモレ・サン・ドニの白と
フォワグラが重なってしまい、これはミスマッチ。
モメサンのシャンベルタンはさすがだったが
その上をいったのがニュイ・サン・ジョルジュ。
これぞ枯れたピノ・ノワールの本領発揮。
テイスティングの段階から
早くもフワ〜ッと花開いている。

やはりJ.C.はボルドーよりブルゴーニュだ。
イタリアンの場合はトスカーナよりピエモンテ。
ピノとネッビオーロの古酒には悩殺されてしまう。
でもこういった美酒が高価でよかった。
これがお求めやすいお値段だったら
アル中になってしまうよ。

さてさて食事の次の皿はいさきの網焼きに
いわしと納豆のタルタル添えだ。
フランス料理で納豆は初めての体験。
まず、ミディアムレアに焼かれたいさきがすばらしい。
そこに合わせたタルタルは
クセのあるいわしとそれ以上に強烈な納豆で
毒をもって毒を制する組み合わせ。
これが意外にも成功を遂げていた。
いさきとともに口に運ぶと、淡白な夏の白身魚に
コク味と奥行きが生まれてくるのだ。
やったね、鈴木シェフ!

シャラン産鴨胸肉のロティと
ブルゴーニュの銘酒たちとの
相思相愛ぶりは生半可なものではなかった。
真紅の肉塊と深紅の血液が
がっぷり四つに組んで互いに一歩も退かない。
行司役はまさに漁夫の利、
思う存分噛み締めて、心ゆくまで飲み下す。
たまりませんな、ジッサイ。

ん? デセールですか?
フランとババの中間のようなシブーストは
それなりに楽しませていただいた。
それよりもやはりカルヴァドスのほうが・・・。
明記はしなかったが食後はほかに
マールやポルトも楽しませていただきやした。


【本日の店舗紹介
「ル・シズィエム・サンス」
 東京都中央区銀座6-2-10
 03-3575-2767

 
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2008年7月30日(水)

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