「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第546回
アナタはプラッシーを覚えていますか?

武田食品から出ていたオレンジ系の清涼飲料に
ブラッシーという飲みものがあった。
いや、実はこれが今でもある。
昭和33年に発売されたというから今年で50周年だ。

ちょうどその頃にブラッシーというプロレスラーもいた。
フルネームはフレッド・ブラッシー。
ミズーリ州セントルイス出身の
力道山によく噛み付いていた銀髪の吸血鬼。
リングに上がると、まず自分の前歯を
ヤスリで研ぎ始めるのだからフツーじゃないですね。

ハナシはいきなり飛ぶが、
都営荒川線・早稲田とは反対側の起点、三ノ輪橋に
ジョイフル三ノ輪という商店街がある。
注文が入ってから冷麦を打つ「砂場総本店」。
160円のとんかつパン以外は
ハムカツパンやカレーパンが
ほとんど一律120円の「パンのオオムラ」。
餅と日本茶をウリにしているので
コーヒーのない喫茶店「月光」。
ざっとまぁ、このようにユニークな店が
軒を連ねる心安らぐ商店街である。

ここに「香巷菜 松楽」という中国料理店がある。
この場所で創業しておよそ50年になるという。
武田のプラッシーと同世代だ。
とある週明けの月曜日にこの店でランチ。
日替わりランチはA,B,Cとあって
Aは海老と玉子のチリソース(790円)、
Bがラーメンと小炒飯(790円)、Cは肉絲麺(730円)。
Aを注文すると、接客担当の店主が
90円で小ラーメンが付くという。
90円は安いと思ったので素直に従った。

運ばれた小ラーメンを見て「なるほど!」と膝を打つ。
もともと清湯スープは付くのだから、
このスープの器を一回り大きくして
そこに1/4玉ほどの中華麺を入れれば
それで済むことだったのだ。考えたものですな。

おっと、今日はこの店の紹介ではなかった。
くだんのプラッシーのことである。
昼食後、「パンのオオムラ」でハムカツパンを買い、
そのままブラブラと山谷・泪橋方面に向かう。
途中、大俵米穀店の店先に差し掛かった。
いかにも米屋らしい名前のお米屋さんだ。
何気なしに目をやると、飛び込んできたのがプラッシー。

へえ〜っ、まだ生き残っていたんだ。
ここでJ.C.、ついつい衝動買いに走ってしまう。
250CC入りの缶(果汁30%)と
350CC入りペットボトル(果汁10%)の2種類があり、
ペットボトルのほうは50周年記念の限定発売とのこと。
2本ずつ買い、計4本で520円だった。

さっそく飲んでみると、甘いの、なんのっ。
特に缶のほうは甘すぎて氷でも入れないと飲めない。
それでも、懐かしい味だけはする。
缶を眺めていてハッとした。
名前の由来はビタミンCをプラスしたからプラスC。
転じてプラッシーだったんですね。
未来のサプリメントブームを先取りしたネーミングで
50年前にこの名前を思いついた人は
まことにエラい! と思った次第であります。

 
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2008年8月5日(火)

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