「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第553回
「キャンティ西麻布店」に初見参(その3)

「キャンティ西麻布店」で
仲間4人の皿に盛られたアンティパストは多種多彩。
ザッと列挙してみると

冷菜:
 真鯛カルパッチョ・芝海老&とり貝のマリネ・
 小肌マリネ・おこぜのエスカベッシュ・
 海の幸のサラダ・カポナータ・クレソンのサラダ
 牛肉のブレサオーラ
温菜:
 鮎のハーブ焼き・トリッパのトマト煮・
 さざえのバジリコバター焼き

それぞれに水準をクリアして
中でもベストはブレサオーラ。
本来は乾燥させた牛肉なのだが
この店ではカルパッチョとの中間という感じで
シットリと仕上がっており、美味。
前菜はよく冷えた北イタリアの白ワイン、
ピノ・グリージョで楽しんだ。

パスタは最後にいただく方針につき、
お次は舌平目のムニエル。
なかなか立派なサイズのものを
4人でなかよく1/4ずつ分け合った。
東京のイタリア料理店では
まずお目に掛かることのできない白身魚は
デリケートなうま味に満ちていた。

そして本日のお目当ての仔牛料理。
カナダ産のTボーンが入荷しているという。
これは2人前を異なる2種類の料理法でお願いした。
ニューヨーク時代によく食べていた2つのスタイルは
シンプルなグリルとピッツァ職人風だ。
グリルのほうはローズマリーとガーリック風味。
ピッツァ職人風はトマト&モッツァレッラを
乗せたオーヴン焼きである。
この店ではモッツァレッラは使わないようだが
本場のレシピに従い、チーズも乗せてもらう。
Tボーンといってもヒレ部分の肉付きが悪く、
サイズはややもの足りないものの、
肉質は申し分のないものだった。

この頃には赤ワインの
ガッティナーラ・トラヴァリーニ‘95年に切り替わっており、
これがすばらしい枯れ具合。
すかざず同じものをもう1本抜いてもらった。

パスタはたらば蟹とキャヴィアの
冷製カッペリーニでスタート。
こんな高級食材を惜しげもなく使えるのは
金に糸目を付けない常連客に支えられているからだ。
2皿目のパスタはお約束の
大葉とバジリコのスパゲッティ。
極細麺で登場し、厳密にはスパゲッティではない。
カッペリーニよりやや太めの
フェデリーニといったところだろうか。
味付けも本場のジェノヴェーゼとは
また違った美味しさがある。

締めには豪州産黒トリュフのリゾット。
秋も深まる頃のアルバ産白トリュフと比べるべくもないが、
これとて満足度は大きい。
麻布十番「かどわき」のトリュフごはんを
想起させるものがあり、
ガッティナーラとものの見事にシンクロナイズしていった。

【本日の店舗紹介】
「キャンティ西麻布店」
 東京都港区西麻布3-17-26サァラビルB1
 03-3404-6500

 
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2008年8月14日(木)

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