「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第574回
前橋は死んでいた(その2)

前橋駅の周りはまさにデッドゾーン。
この界隈で真っ当な飲食は無理であった。
繁華街、といってもシャッターを
下ろしている商店が目立つ通りに戻り、
洋食店「レストラン ポンチ」へ。

店先のメニューに目を通す。
デジカメに収めたのでその一部を紹介する。

カレー 650円 ハヤシ 700円
カツカレー 800円 カツハヤシ 850円
オムレツカレー 750円 オムレツハヤシ 800円
カツ丼 700円 ソースカツ丼 700円

オムライス

700円 お子様ランチ 600円

 トンカツ定食 1000円
 ロースカツ定食 1250円
 エビフライ定食 1250円
 ポークソテー定食 1250円    単品220円引き

 Aセット サラダ・ドリンク +200円
 Bセット スープ・ドリンク +250円
 Cセット サラダ・スープ +250円
 Eセット サラダ・スープ・ドリンク +350円

ロースカツの単品とビールをお願いした。
大きめのカツはパン粉のコロモが立ち、
カラリと揚がったもので、味はきわめて標準的。
ヘアピンのような弧を描く
カウンターに座っていると時空を超えて
大正時代に身を置いているような気がしてくる。
あまり開けることのなくなった2階は
それ以上に時代を感じさせるものだった。
相手をしてくれたマダムに話を伺うと、
最近封切られた映画「クライマーズ・ハイ」の
ロケ班の食事をここが一手に引き受けたのだそうだ。
その縁あって、映画の中にもこの店が登場している。

界隈のさびれぶりに話が及び、
近辺で昔ながらに商売を続けているのは
昭和6年の創業の中華「来々軒支店」くらいらしい。
さっそく行ってみることにした。

入店してみると、こちらもスゴかった。
「時よ止まれ!君は古めかしい!」であった。
ここでも木札の品書きをカメラに収めたのでご紹介。
文字のカラーも木札のままに再現した。

冷やしビール 630円   二級酒 330円 
焼酎 220円   肉だんご 1050円 
古老(スブタ) 1200円   芙蓉(カニタマ) 1050円 
五目うまに 1050円   とんかつ 750円 
オムレツ 470円   シューマイ 420円 
飯(チャーハン) 750円   中華丼 750円 
天津 880円   五目焼きそば 780円 

紹興酒とシューマイとラーメンを注文。
シューマイは自家製だが、とてつもなく甘い。
雷文模様の小さなどんぶりに
スープがあふれんばかりのラーメンは
食紅に縁取られたチャーシューに存在感がある。
中太平打ち麺がシコシコでスープのコク味がうまい。
東京ではこういうラーメンはもう食べられない。
前橋は死んでいたが、それでも来たかいがあった。


【本日の店舗紹介】
「レストラン ポンチ」
 群馬県前橋市千代田町3-3-18
 027-231-2333

「来々軒支店」
 群馬県前橋市住吉町2-12-7
 027-231-3828

 
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2008年9月12日(金)

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