「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第586回
ハチャメチャな夜(その1)

ついこの間の金曜の夜のこと。
もっと正確にいうと、
宵の口からなのだが、しこたま飲んでしまった。
17時から26時まで、9時間の長きに渡って
移動時間を除き、飲み続けたのである。

桜の季節には11時くらいから飲み始め、
そのまま夜桜をはしごしたり、
居酒屋に流れ込んだりして
10時間以上ぶっ通しなんてこともあるが
今回はかなりキツいものがあった。

その日はグラフ社の担当編集者との
打ち合わせが15時に終わり、
中途半端な時間でもあるし、
いっそのこと1週間の仕事納めとばかり、
ブラリと出掛けてしまった。

JR浅草橋駅で編集者は上り電車、
こちらは下りに乗ってお別れだ。
二つ目の錦糸町で下車したのは目当ての店が
亀戸天神裏のレトロなそば屋だったから。
以前、散歩の途中に発見して
そのたたずまいに魅了され、
いつかは行ってみたいと思いつつ、
なかなか機会に恵まれなかったのだ。

15時半にその「中の茶屋」に到着する。
懸念した通り、この時間なので暖簾が出ていない。
仕方がないから店先の品書きだけはしっかりと記憶する。
肩透かしを食い、行く先を曳舟に変更した。
途中、京島のキラキラ橘商店街を久しぶりに冷やかすと
コッペパンの専門店「ハトヤ」がいまだに健在。
こういう店のサバイバルはうれしい。

曳舟駅に近い「赤坂酒場」の店先に立つと
シャッターが降りていて、電話をしても応答がない。
2ヶ月ほど前だったか、当コラムの読者の方から
ずっと閉まっているとの報告をいただいており、
気になっていたのだが案の定であった。

近所の「東西南北」や「三祐酒場」に流れる手もあるが
せっかく曳舟まで来たので、もう一駅歩いて東向島へ。
いろは通りにある2軒の町の中華屋さんを
訪れておこうと思ったわけだ。

地蔵坂通りの商店街にある東京で
もっともレトロな寺島図書館に立ち寄って
昭和の空気をたっぷりと吸い込んだりしながら
17時ちょうどに「興華楼」に到着。
開店直後のようで先客はゼロ。
入店と同時にオバちゃんがTVをつけてくれた。
さっそくビールを頼むと
「キリンとアサヒのどちら?」――これがエラい。
食べもの商売はかくあるべし。

すぐにアサヒの大瓶が運ばれ、
突き出しは白菜ときゅうりと高菜を刻んで合えたもの。
つまみには単品のレバニラ炒めをお願いすると
豚レバは状態がよくとも、かなりの量のもやしがジャマ。
評価の高い店ですでに数回訪れていたが
今回はちょっと残念な結果に終わった。

           =つづく=


【本日の店舗紹介】
「興華楼」
 東京都墨田区東向島5-28-2
 03-3611-2671

 
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2008年9月30日(火)

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